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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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伊藤美弥の悩み 〜初恋〜-16

「うあっ……!」
 堪らずに紘平は、限界を迎える。
 瀬里奈の手の平に向かって、どろりと濃い精液を放ってしまった。
「はぅ……」
 まったくもって他愛なくイかされてしまい、紘平の心はうなだれる。
「こんなに出したのに、まぁだ元気ねぇ」
 手の平の白い雫を紘平に見せ、瀬里奈は微笑んだ。
「ずいぶん溜め込んでたのね」
 その精液をティッシュで拭い取り、瀬里奈の手は再び紘平を包み込む。
 こしょこしょと肉棒をくすぐられ、紘平は呻き声を上げた。
「もう一回くらい抜いときましょうか」
 問い返す間もなく、瀬里奈が行動を起こす。

 ぱくっ

「うひゃっ」
 温かい口腔に剥き出しの自身を包まれ、紘平は呻いた。
 山科の時よりも優しくかつ熱心に、瀬里奈は紘平の分身を愛撫する。
「や……めっ……瀬里奈……っ!」
 初めて経験する女の子の口腔の温かさとテクニックに、紘平は眉を歪めて声を上げた。
「くぅ……あぅ……!」
 瀬里奈は頬をすぼめてリズミカルな抽送を繰り返しつつ、じっと紘平を見上げている。
「っぅあ……!」
 紘平の腰が跳ね踊り、再び白濁液を噴出させた。
「ふむ……まあこれなら、落ち着けたかしらね?」
 喉を鳴らして精液を飲み込むと、瀬里奈はにっこり微笑む。
「おいおい、もっと凄い事してあげる」
「はひ……」
 力なく、紘平は頷いた。
 初めて口での愛撫を経験した上に二度も射精したためか、まともな口がききづらい。
「何よこのくらいで。元気ないわねぇ」
 ふらついている紘平を見て、瀬里奈は少し不満そうに首をかしげる。
「に、二度もイかされて元気でいれるかぃ」
 紘平がそう言うと、瀬里奈はフッと笑った。
「少なくとも三度は、イッて貰うわよ」
 そう言われた紘平は、呻き声を上げる。
 少し濃厚なキスと、手と口で自分を二回イかせただけ。
 確かにまあ、瀬里奈が満足できる訳がない状況だ。
 恋人より明らかに性のスキルが未熟な自分が瀬里奈をどれくらい気持ち良くできるのか分からないが……紘平は、頑張ってみる事にする。
 そう決心したならば、やる事は決まっていた。
「瀬里奈……」
 紘平は、瀬里奈を抱き締める。
「なるたけ頑張るわ」
「期待しとく」
 瀬里奈は微笑み、抱擁から抜け出した。
 するすると服を脱ぎ、ベッドに横たわる。
 紘平が言った通り、ゴージャスな体だ。
 肌は滑らかで出る所と引っ込む所の区別が人並み以上についており、顔が小さく手足が長くと、そのプロポーションはモデルも真っ青である。
 見た目の魅力からするとお高くとまっていてもおかしくないのに、性格は意外とぞんざいで付き合いやすい。
「瀬里奈……」
 紘平はまず、呼吸に合わせて上下している柔らかな膨らみに触れてみた。
 瀬里奈からは、何の反応も返ってこない。
 経験豊富な男に慣れた体がこの程度で感じるはずもないかと思い、紘平は内心でため息をつく。
「う〜ん……」
 美弥はずいぶん感度が良かったなと、紘平は思い返した。
 しかも、龍之介が夢中になるのも無理はないと思える、実にいい声で鳴いてくれる。
 瀬里奈がああいう風な声で鳴いてくれるかどうかは、自分の努力次第なのだ。
 決意を新たにすると、紘平は瀬里奈に挑む。
 二度も精を抜かれたせいか、割と冷静な目で瀬里奈を見る事ができた。
 もしかして瀬里奈がそれを見越して口の愛撫をしてくれたのではないかという考えは、意識的に頭の隅へ押しやる。
 そこまで考慮したら、自分の男としてのアイデンティティが崩壊しかねない。
 くだらないと笑われるかも知れないが、『見栄』というモノがあるのだ。


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