投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜
【悲恋 恋愛小説】

傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜の最初へ 傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜 1 傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜 3 傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜の最後へ

傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜-2

「待っ、て!やだ…っ」
「だめ。お仕置き」
それだけを言って口の中を蹂躙される。

歯をなぞられ、歯茎をくすぐられ、舌を吸い、唾液は飲み込まれるし、飲まされる。


これからされることに羞恥を煽られないわけない。
できるなら避けたいし、なんでなんでと憤りだって感じる。

でも私は絶対に許してしまう。


流くんが、そんな目をするのが、悪い。


口づけられながら背を、背の傷痕を服越しに何度か撫でられ、軽く引っ掛かれれば、背をはい上がる快感は強く性急で……あっけなく私は達した。

出るはずだった叫びは全部流くんが呑み込んでしまう。
代わりに流くんの味を流し込まれて。

「すっかり性感帯になったね」
しなだれかかるようにすがるしかできない私に言いながら、流くんは満足げに笑う。

目だけは捨てられる前みたいに怯えきって、笑ってる。



流くん。
逃げないから、私は絶対逃げないから。
なんで…信じてくれないの?
なんで……そんなに辛そうな顔をするの?
なんで………それなのに笑うの?


こんな醜い傷痕をもつ私を背負ったことを悔やむなら、手放していいから。
たまに流くんの執着や独占欲は強すぎて、自己暗示をしていんじゃないかって思う。
ムリ…してるんじゃ、ないかな。
ずっと聞きたくて言えなかった。
でも、…流くんから別れを切り出してくれるなら諦められるから。


でも私からは言わない。……言えない。
傷痕に触れられるだけで達せられるほど、侵食されて快感を覚え込まされたって、離れたくない。



こんな傷痕を抱えてる私を、それでも抱いてくれる人なんて、いまさら見つけられない。


唯一の好きな人。
なのに私のせいでたくさん傷つけてしまう。

ごめんなさい。
ごめんなさい。

こんな醜い傷痕を残した私を、ゆるして。


達したばかりで荒い息の中、すがるようにしがみつきながら、少し泣いた。


傷痕は、本当に気にしてないの。
ただ……傷痕一つで変わってしまった関係が私の心を蝕む。


ねえ。
傷がなくても、痕がなくても……私を側に選んでくれた?


もうすぐ、期限が迫ってる。
はやく、はやく。


もう私は、別れを待っているのか永遠を待っているのか…わからない。


式の日が、永遠を誓う日が近づいている。


傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜の最初へ 傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜 1 傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜 3 傷痕は誓いの枷〜傷痕side chika〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前