投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

二個目の苺〜アーモンドクッキー〜
【その他 官能小説】

二個目の苺〜アーモンドクッキー〜の最初へ 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜 3 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜 5 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜の最後へ

二個目の苺〜アーモンドクッキー〜-4

「確認するから先に歩いていてくれるかな」

「あ、はい」

愁さんの言葉に従い、玄関に向かって歩いていく


私は愁さんのことをあまり知らないけど…
…今日の愁さんは、やっぱりなんだか変…

何気なく振り返ると、愁さんが薄紫色の封筒を持って立っていた

愁さん…?


「…っぁ…!」

愁さんは持っていた封筒を何の迷いもなく破り、握り締めた

私はすぐに前に向き直り、歩き始めた

愁さんは私に、先に歩いていてと言った
愁さんは、先に行っててと言った

それだけしか考えなかった
考えてはいけない気がした
あの、冷たい表情…


愁さん…?



***



こんなもの一つに目くじら立てるなんて、どうかしてるな…

いまいましいラベンダーの封筒をゴミ箱にほうった

もうとっくに終わった事だ

僕は、取って置きの紅茶をいれて部屋に持って行った

「待たせてごめんね」

「あ、いえ突然来たのにすみません」

奈々は緊張した面持ちで僕を見た

その瞳はいつも僕を真っすぐ見つめている

どこか怯えて、怖がりながら、僕を信じている

僕は彼女がなんだかひどく哀れになった

「奈々」

じっと彼女の目を見る

奈々は驚いたように目を開いて僕を見る

僕が尚も見つめると、徐々に顔が赤く染まる

どうすれば君が喜ぶかなんて、僕には全て分かっているよ
僕のこんな安っぽい行為で、簡単に君の心は動く

可哀想に…
なんて可哀想な、僕の天使

「愁さん…?」

僕はにっこりと笑って見せて、彼女に近づく

「奈々、可愛いよ」

耳元で吐息混じりに囁いて、唇を重ねる

奈々は嬉しそうに目を閉じる

こんな偽者のキスを望んでいるんだろう?
嘘をつくと君は喜ぶんだろう…?


二個目の苺〜アーモンドクッキー〜の最初へ 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜 3 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜 5 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前