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二個目の苺〜アーモンドクッキー〜
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二個目の苺〜アーモンドクッキー〜-18

***



…首に掛けられた手、

私を見下ろす哀しい瞳


「愁さん…殺して、下さい」

あなたが憎む、誰かの代わりに


…体が痛い

昨夜の激しい交わりは、身体に痛みを残し、心に想いを残した

この痛みは…愁さんの心


「愁さん…」

「その口で、僕を呼ぶな」


徐々に力が込められ呼吸が安定しなくなる

血が勢い良く巡り、首に集中して、ドクドクと脈打っている

少しずつ、頭がぼうっとしてくる

………愁、さん…




…すっと手が取り払われ、私は酸素を求めて咳込んだ

「馬鹿な奴だ」

愁さんが苛立ちを込めた口調で言う

「…馬鹿です」

こんな風にしか、あなたを愛せない…


愁さんは私を真っすぐ、哀れむ様に見て、その口を塞いだ

「…ん……痛っ…」

私の唇から血が出るのが分かる

愁さんは、私を見つめたまま、自分の唇も噛み切った

愁さんの唇が、血で赤く染まる

「本当に…君は馬鹿だ」

そうつぶやいて、愁さんはもう一度深くキスをした…



熱い珈琲で、目が覚める

「A.S.」は今日は休業日なので、店内には私と愁さんだけだ


「僕がここを始めた訳、もう大体分かってるだろ?」

「………」

「どんな女も結局綺麗な嘘を選ぶんだよ…嫌な現実なんかよりもね
それが、証明された」


どう言っていいのか分からない

愁さんの嫌な現実って…?

…でも、私は…


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