投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

トラブルバスターズ01
【SF 官能小説】

トラブルバスターズ01の最初へ トラブルバスターズ01 10 トラブルバスターズ01 12 トラブルバスターズ01の最後へ

トラブルバスターズ01 [二章]-2

***********

目の前には三機の黒、緑、赤とそれぞれ基調の異なったカラーリングに、異なった姿形をした操縦士不在のパワードスーツが専用ハンガーに並べられていた。
装甲車よろしくの車に牽引されている大型トラック並の車両、その左半分を横並びに三体のパワードスーツが占拠している。
その真ん中の緑色がバニングの専用機だ。
隣に置かれているレイ専用PS[レイブン]よりも大柄で全身はムックリと曲面で構成されている。
その緑色にカラーリングの施されている装甲は、太ったような醜い外見と言うよりも、甲虫類の甲殻を連想させる力強い曲面だ。
張り出した両肩の奥には煙突の様に突き出た可動式の砲身、腕からも三つの銃身が覗き、重装甲重火力がモットーですといった雰囲気だ。
「腕部ガトリングの弾種を安物ソフトからHVAP(高初速徹鋼弾)に切り替えな」
自分のPS[ヘブン]の装甲を開いた腕にドラム型弾倉を押し込み、語りかけるように口にする。
『了解』
無機質で無感情な音声が返ってくる。
パワードスーツには、操縦者の音声に対して動作するようにその状況に合わせて言葉を理解する簡易AIが搭載されている。
手の部分にコントローラーが隠されているとはいえ、ほとんどの部分がマスタースレイブ方式になっているパワードスーツでは人間に本来付いていないものを人間が制御しきることは難しいからだ。

"
union{
unsigned BYTE;
struct{
unsigned char B7:1;



end"
壁に掛けられたデバック用ディスプレイに、次々と英数字が流れる。
バーニィは"end"の文字を確認すると次の指令を出す。
「待機モードに移行」
『了解。マスター。待機モードに移行します』

***********

「………っは!?」
前触れも無く一気に意識が覚醒する。
ズキズキと頭が痛む、激しく打ったのだろうコブが出来ているのが触らないでも判った。
体は自由に動くらしいので周りを見回して見た。
ドン!という効果音が似合いそうな程、間近に紅く厳つい鎧武者の顔があった。
「うわぁ!?」
思わず跳ね起き…ようとすると、天井は間近にあって頭をぶつける事になった。
かなり、パワードスーツとしては異形なのだが、各部に配置されていたスラスターや、間接部の特殊なアクチュエータ、眼窩に組み込まれたレンズさらにその奥にあるCCDのチップがただの骨董品の鎧兜やそのレプリカ(模造品)ではないことをラックに示していた。
この紅い鎧武者がミリィのパワードスーツとラックが知るのは後の事だった。
「おっ。ようやく起きたか?」
声が聞こえた。ベッドの下の方覗き込むと、バーニィが見たこともない端末を弄っていた。
「ちょうどいい、前に行くか」
ヒュルル〜ガッコン!!
黒いヘルメットがバーニィの頭を直撃する。


トラブルバスターズ01の最初へ トラブルバスターズ01 10 トラブルバスターズ01 12 トラブルバスターズ01の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前