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「interview」
【ホラー その他小説】

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「interview」-1

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あ。どうも、はじめまして。いえ、わたしもちょうど今きたところでして。いえいえ、本当です。あ、はは。さすがは記者さん。鋭い観察力をお持ちで。ですが、それほど待ってはおりません。それは本当です。外が暑かったもので先にいただいておりました。ええ。自宅から近いため、ここへはよく足を運びます。最近はほとんど日課のようになってきました。ここの喫茶店、このアイスコーヒーが一番いけるんです。
特別な作り方はしていないとは思うのですが。どうですか。試しに注文してみては。……はい。では、同じものを。
 それにしても今日は本当に暑い。まだ午前中だというのに。
……まあ、確かに夏はこれからなのですが。……そうなんですか。奇遇ですね。わたしも夏は大の苦手でして。冬は着込めば何とかなりますが、暑さばかりはなんとも。
女性ともなれば、さらに気を使われる場面が多くあるでしょう。記者さんのように、お若い方ならなおさらなのではないですか。
……そうでしょうね。ええ。分かります。実はわたしにも娘がおりまして。今年で二十七になります。あなたより、多分いくつか上かと。ああ、やはりそうでしたか。しかしあなたは娘よりもずっと落ち着いていらっしゃる。いえ、本当に。え。やはり分かりますか。ここしばらくほとんど睡眠をとっていないもので。そうですね。かなり痩せてしまった気がします。スラックスなんて、ほら、ウエストがこんなに余るようになってしまいました。
 ……ああ、きましたね。アイスコーヒー。おや、シロップは入れられないのですか。……そうですか。でも、そんなこと気にする必要はないと思いますよ。さっきお店に入ってくるところを見ておりましたが、素晴らしいスタイルだと感じました。わたしなどからはむしろ痩せ過ぎという印象を受けました。
 ところで、お味はいかがですか。……そうでしょう。そうなんですよ。香りがすごくいいのです。でもよかった。これでお口に合わなかったらどうしようかと、内心はらはらしておりました。
 さて、これでお互い一息つけたことですし、そろそろ本題へとはいりましょうか。
取材の準備はよろしいですか。おや、もう、ですか。いまどきはそういうものでインタビューをとるのですね。わたしも電気屋などでそういった録音機器の類を見たりはするのですが、使い方がさっぱりでして。……はは。そうですね。カセットテープへの録音くらいしかわたしには出来ません。そうなんですか。そんなに簡単なら、今度、挑戦してみようかな。
 ああ。すみません。話を脱線してしまいました。それでは、気を取り直して話させていただきます。


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