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職員室とコーヒー
【大人 恋愛小説】

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職員室とコーヒー-1

「よしっ!じゃあ、今日はここまで。何か質問あるかぁ?」
教壇に教科書を置き、生徒を見回した。
「赤坂先生〜、テストどこでるんすかぁ?」
一人の男子生徒が、冗談まじりに尋ねてきた。
「適当に。教科書でも読んどけっ!」
クラスにどっと笑いがおこった。
「ひっでー!適当って何っすか?!」
男子生徒が笑いながら言う。
「喋ってる間に勉強しろ!じゃあ、テスト頑張れよ〜」
生徒を後ろにして赤坂は出て行った。

廊下を歩くと、窓からは少し色づいた木々が目にとまる。
この学校に勤めて3年。生徒にも嫌われず平和な生活をしている。けど……


―ガラガラ
職員室にはコーヒーの香りがほのかにする。
教科書を自分の机に置いてから、椅子に腰をおろした。
「はぁ〜」
疲れている訳ではないが、何故かため息が漏れる。
コーヒーを飲もうと立ち上がろうとした時
「お疲れですか?赤坂先生?」
背後から可愛いらしい女の声がした。
その女を確認するために振り向く。
「疲れてはいませんが…。何となくですね…」
「季節の変わり目ですから…。はい、どうぞコーヒー。」
自分が今からいれようと思っていた物が、頼んでもしていないのに出てきた。
女は凄いなと思う瞬間だ。
「…ありがとうございます。」
そう言って、赤坂は女からコーヒーを貰った。


そういえば、ミルクも砂糖もでてこない。
まぁ、自分はブラック派だから構わないが…。
学校側が節約でもしているのか?という考えが浮かんだがそこまでは…
まさかとは思うが…。
一瞬、自分の都合のよい解釈が頭によぎったがすぐに消えた。

ちらりと斜め前の彼女に目をやった。
彼女もまたコーヒーを飲んでいる。

パチリと二人の視線が絡む。

目を今から外すには不自然すぎる。どうしようかと赤坂が悩んでいると
「やっぱりブラックは苦いですね…。赤坂先生の真似をしてみたんですけど…。私には無理みたいです…」
苦さで彼女の笑顔が少し引きつっている。
それでも、愛らしく見える理由は何だろうか?
「背伸びはよくないですよ…。砂糖をお持ちしましょうか?田原先生?」
「真似しただけですっ!あっ…ミルクもお願いします。」
少し恥ずかしそうに田原は言った。

彼女と一緒にブラックを飲む朝は来るのだろうか?
そんなことを考えながら、自分には縁のない砂糖とミルクを渡した。


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