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こーゆうのもアリなワケで…
【SM 官能小説】

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その鮮やかさに魅せられて-5

「じゃぁ、アタシが口説いてもイイ??」

千歳は苦しそうに紫煙を吐き、大きな溜息を吐いた。

そして、搾り出すように言った。

「・・・・・今、口説いたらホントになるじゃない。今、いつもみたいに言えないって」

「何よそれ??」

千歳はカーステレオを苛立ったように操作し、攻撃的なミクスチャーバンドの曲を車内に充満させた。

「ねぇ、意味分かんないんだけど」

遊佐子は声を荒げた。

馬鹿馬鹿しい。

学生の言葉遊びに何でこんなにムキになっているのだろう。

相手も遊佐子が既婚者だと知っているからこそしている口説きごっこなのに何でこんなにムキになっているのだろう。

遊佐子は自分が自分でコントロールできなくなっていた。

自分自身のことが分からず苛立ち、その苛立ちを予想に反した言動をする千歳にダイレクトにぶつけた。

千歳は表情を崩さず、ただ運転を続ける。

時折、煙草を咥えるがそれは口を塞ぐ為に咥えているようだった。

そんな千歳にやきもきする自分自身に遊佐子は堪えれなくなっていった。

これ以上一緒にいても怒りが増すばかりだ。

訳のわからない怒りを抱えてまで千歳と一緒に過ごすほどの理由が遊佐子は見つからない。

「ねぇ、次にコンビニが見えたら止まってよ」

憮然とした態度で遊佐子は言う。

「・・・・・何で??」

千歳も憮然とした態度で返事をしてくる。

それが余計に遊佐子は腹立たしい。

「これ以上一緒にいたくないから」

「はぁ??どーゆー意味??」

「喜屋武くんが機嫌悪そうだから、これ以上送ってもらいたくないの」

「何でよ??」

「送るのを迷惑そうにしている人にこれ以上送ってもらいたくないって言ってるの」

遊佐子は千歳に挑戦的な視線をぶつける。

しかし、千歳の表情が光の加減で分からない。

表情が分からないから遊佐子はより不安になり、苛立ちも増した。

「・・・・・迷惑じゃないです。つか、送りたいから送ってるんデスっっ!!!」

千歳は吐き出すよう叫ぶと、車を道路の脇に停めた。


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