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こーゆうのもアリなワケで…
【SM 官能小説】

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その鮮やかさに魅せられて-2

「隣、イイでスカ??」

ふいに独特の片言の日本語のような方言が遊佐子の耳に飛び込んできた。

遊佐子は少し驚いて声の方に遊佐子が顔を向ける。

するとそこに喜屋武 千歳(きゃん ちとせ)がいた。

千歳は笑窪を浮かべ、羽飾りの付いたハットを取る。

その見慣れた顔とネイティブアメリカンを連想させる髪型とスタイルに遊佐子は微笑むと、隣に座るように促がした。

「ども」

千歳は笑窪をつくり、遊佐子の隣に座った。

遊佐子は自身の頬に熱が帯びていくのが鮮明に分かった。

千歳と話をするだけで最近は緊張してしまう。

これはきっと、千歳が酒を飲んでいようがいまいがやたらと遊佐子を口説くせいだ。

夏休み前の研究室の飲み会で遊佐子が冗談で「結婚していても彼氏が欲しい」と発言し、その発言に対して千歳が「じゃぁ、オレ、立候補します」と発言した事に端を発する。

その場は遊佐子が千歳をこっぴどく振り、場を大いに沸かせた。

しかし、千歳は何を思ったのか遊佐子を研究室内、飲み会、生協とありとあらゆる場所で二人っきりになれば口説いてくる。

常に冗談でかわす遊佐子も3ヶ月以上もこのようなやり取りかわし続ければ、いやでも千歳を一人の男として意識してしまう。

遊佐子にとって学生は弟や妹に近い感覚で接している存在である。

その上、遊佐子が尊敬している里見教授の大切な教え子は遊佐子にとっても大切な存在である。

長らく恋愛という競技から遠ざかっている遊佐子はブランクも含めて、何事もなかったようにやり過ごしたいのが本心だ。

「何飲んでるんデスカ?」

千歳は遊佐子の飲みかけの瓶に手を伸ばしながら尋ねる。

「ジーマ」

遊佐子は千歳に飲みかけの瓶を差し出す。

千歳は手の平を遊佐子に向け、苦笑しながら首を横に振る。

「珍しい。キャンくんがお酒を飲まないと今日は台風になるじゃん」

遊佐子はコロコロ笑いながらジーマを飲む。

千歳はカウンターに置かれたばかりのウーロン茶を飲みながら言う。


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