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恋愛武勇伝
【純愛 恋愛小説】

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恋愛武勇伝 第二章 蠢動編-5


日本国にですね、他の先進国とは違った問題が起きたことを知っていますか?

若い人たちには、もう死語になってますかねぇ?

公害 と言うのですが。
そりゃあねぇ、ひどいもんでしたょ。
今でも、健康被害に苦しんでいらっしゃる方が、たっくさんおみえになりますから。

ところがですね、外国では少ないんですねぇ。
恐らくその理由のひとつは 国同志が隣り合っていることでしょうねぇ。

A国は工業国、でもB国は農業国、と言ったぐあいに特性の違う国々が隣り合っている。

だから、設備面等で、お互いに迷惑をかけないよう配慮しあったのでしょう。

ところが我が日本国は、幸か不幸か四方を海に囲まれています。
誰に遠慮することなく、好き勝手ができたわけですねぇ。

こういったことが、隣国に対して、諸々の事柄について配慮に欠ける事が多々ある要因の一つでしょう。


◇◇◇◇◇


星の輝きが霧に閉ざされ 時の流れも止まった中
ぼくは君と歩いている
それだけで幸せなぼく けれど君は不満たらたら・・

手をつないで!
抱きしめて!
キスして!

様々に君はせがんでくる

触れ合うものは心だけでいい
肌の触れ合いが永遠を約束してくれるわけじゃない

君にガラスのドレスを着せたい
ガラスの帽子に ガラスの靴も・・
弱い月明かりでも きっと七色に輝くだろう

そんなの イヤ!
靴ズレしちゃう!

どうして君は 夢に酔えないの?
どうして桃源に 入ってくれないの?

◇◇◇◇◇

midoriさん・・・
他の人同様 笑ってた・・
やっぱり、子供っぽいんだ・・

だけど、あの失礼な男性だけは、許せない!

「欲求不満の詩、だね。ガラスのドレスかぁ、すごい発想だぁ!」

寄りによって、midoriさんの恋人だとは・・


いいんですょ、いいんです。
人それぞれに感性は違います。
あなたの感性が、彼には理解ができないのです。
あなたはまだ若い!
これからたくさんのことを体験して、たくさんの知識を得るんです。

そしてあなたの感性が、少しずつ研ぎ澄まされていくんです。
とに角書きなさい。
恥ずかしがることはありません。
未熟なのは当たり前です。
今はね、とに角感性を育てる時なんですから。


老人の言葉に、ぼくは思わず涙しそうになった。
◇◇◇◇◇◇


急に座が静まり返った。
ひとりの女性が立ち上がり、ぼそぼそと語り始めた。
いや、吟じ始めたと言うべきか・・

======

クスリを5錠口に含み、水を一口流し込む。
更に5錠、又5錠、そして5錠・・、
一気に水と共に飲み込む。

手首に充てられたナイフがすべる。
血管から流れ出る血!
ドクドク・・、と耳に大きく響く。

台所のガス栓が緩められる。
シューッ!という噴出し音の中、
二人の会話が始まる。

“ほらっ、血がこんなに流れて、綺麗ぃ!”

“シューッだってさ。ピュッピュッって、なんないの?”

=====


貴子女史ぃ・・相変わらずだねぇ

少しは手加減して欲しいねぇ、実際のところ

マジで、ビビるょね。

この二人ってぇ、ホントに死にたいのかな?って、感じだネ

そうだね。死への恐怖心がさぁ、感じられるんだょね。会話にぃ。

死を美化してるぅ、きれいぃ!なんて。

ホントは、醜悪なんだょ。きれいな自殺なんて、ないんだょ。

生への執着心そのものだ、ピュッピュッ、なんて。

c c c c c c




形あるものは こわれる
こわれるべくして 壊れる

形あるものは すべて 
例外なく すべて そう全て

壊れるんだョな 全て・・



人間の感情には、形状というものはない。
と同時に、複雑な形がある。

愛と憎悪━相反する感情。
がともすれば、同じ形を見せる。

罵り、の中の甘え
労わりの中の軽蔑

友情をも裏切る愛、世間を敵にまわす愛

幸せを強いる権利はなんぴとにも無く、
幸せを掴む権利は誰にもある。

強い人がいる
もう一人
弱い人がいる

形あるものは壊れ、形無きものは絡み合う。

罵りの中に甘えがあり
労わりの中に軽蔑がある


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