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ポッキーとプリッツ
【推理 推理小説】

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ポッキーとプリッツ-4

「なかなか面白い推理ですね」
では、もう少し付き合ってもらいましょう。
今度は作者側に与える影響です。
スランプ気味の人は、これを切っ掛けにして脱出できるかも……。と無理矢理にでも捻り出そうと、一日中“ポッキー、プリッツ、ポッキー、プリッツ……”と頭で念仏のように唱えていたかもしれません。さらに、もしかするとポッキーとプリッツについて調べたかもしれません。
そんな人達よりも悲惨なのが、すぐにネタは浮かんだが遅筆の人です。
遅筆の人は書き始めたはいいが、どうしても先が続かず、これまた“ポッキー、
プリッツ、ポッキー、プリッツ……”と、恐らく頭の中はポッキーとプリッツのオンステージだったでしょう。
何せ、せっかく書き始めたのに期限までに書けなかったら、下手をするとボツ作になりますからね。
そんな“書きたい彼ら”はきっと藁をも掴む思いですがる事になるでしょう。ポッキーとプリッツの“実物”に。
「つまりは購入すると言うわけですか」
そうです。小説を書くには五感をフルに使い、インスピレーションを研ぎ澄ますのが一番手っ取り早い方法ですからね。
このように貴方は、『ポッキーとプリッツ』と書いただけで、ただの商品名を、数倍のインパクトをもつ広告に仕立て上げたのです。
「はぁ。なるほど。確かにインパクトはあるかもしれません。しかし、なぜ私はそんな事をしたんです?」
言ってしまっていいのですか? 貴方のプライバシーに関わることですよ。
「構いません。ここまで聞かされると、とことん気になってしまいますので」
簡単なことです。あなたに有益になるからです。
「どういったふうに?」
またそうやって惚けるんですか。分かりました。でははっきり言ってあげましょうか?
貴方の正体は“江崎グリコ(株)”の社員か、それに近い人物。例えば、江崎グリコ(株)の株主といった類いの人物なのでしょう。
「なるほどね。売上至上主義なら、広告も出しますね」
もし貴方が出したお題が、ポッキーかプリッツだけでしたら、僕もきっと気付くことはなかったと思います。その点では、貴方は少し失敗をしましたね。
「どういうことです?」
僕はこのお題を見てピンと来たといったでしょ。それは、今が11月だからです。先ほどのインパクトと言う点でいうと、これほど絶好の機会はありませんから。
「さっぱり見当がつかないのですが」
11月11日ですよ。
「なんかありましたっけ? 11月3日は“文化の日”で、23日は“勤労感謝の日”ですし。あ、そう言えば、22日は“いい夫婦”でしたっけ? でも11日って……」
“ポッキーとプリッツの日”ですよ。ご存知でしょう?
「いえ、初めて知りました。そんな日があったんですね」
嘘を言ってはいけません。最初に約束をして頂いたじゃないですか。
「いえ、ホントに知りませんでした」
ははーん。なるほど。これですべての謎が解けました。
貴方は江崎グリコ(株)の社員ではなく、株主の方ですね。社員でしたら自社の有望商品の記念日ぐらい、普通は知ってることですから。
「あのぉ……。結論としては、僕はグリコの社員で、広告を出すためにお題を『ポッキーとプリッツ』にしたってことですか?」
ええ、完璧です。貴方には少し悪い気もしますが、これをピピさんのサイトに掲載させてもらいます。
「どうぞ、ご自由に。しかし、なんか貴方に付き合って損した気分ですよ。断りもなく勝手に私の正体を暴こうとして、ちょっと不愉快ですね。……それでは、私はこれから用事がありますので失礼させていただきます」


◇◇◇◇◇
これがTさんと僕とのチャットの全記録です。



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