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ヲタク彼氏
【コメディ 恋愛小説】

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**ヒーロー見参??**-4

「あんた晴輝のなんなの??」

着いた途端、壁に背中を張り付けられて予想していた言葉を投げ掛けられる。

それはそれは豪速球で。
どこぞのメジャーリーガーもキレイに空振りどころか見送っちゃうくらいの勢いで。

「何なんでしょうか‥?」

本当、なんだろう‥‥

「こっちが聞いてんだろ!!」

「あぁ!!すいませんっ」

聞き返しちゃまずいよね‥逆上させちゃまずい。

ここは穏便に‥‥

静まれぇぇ‥‥

どぉどぉ‥‥

「あんた晴輝にも手出しといて片桐くんにも色目使って本当目障りなんだよっ!!」

あれぇぇぇぇっ!???
念じたのに効果ないのっ??

「なんとか言えよっ!!」




─────


あぁ‥‥

どうしよう‥


本気で困った。

今回ばかりは得意のむちゃくちゃ逃げも出来なかったなぁ‥

きっと今頃、優ちゃんが先生に私がいない理由をうまいこと言ってくれてる‥‥はず。

どうにかしてここから出なきゃいけないんだけどね、如何せん、鍵がかかって扉は開かんのですよ。

「なんとか言えよ」と言われなんとか言おうとしたら本令がなって、しかし私を野放しにするのは彼女たちにとって、いとすさまじきな訳で‥‥

要するに放置プレーです。
粗大倉庫放置プレーです。


最近授業サボりすぎじゃない?ただでさえ勉強出来ない子なのになぁ‥

それにしても粗大倉庫初めて入ったし。
意外と何もないんだ。
あるのは使えなくなった跳び箱とか木が腐った棚とかくらい。

「ふんぬ──んん‥だぁ」

ダメだっ!!!
開かない‥‥

このまま誰にも気付かれなかったらどうしよう。
私はずっと倉庫から出られないの!??
そのまま粗大ゴミになっちゃうの!??
リサイクルされずに捨てられちゃうの!??

リサイクルされるのも怖いけどさ‥‥

とりあえず、優ちゃんが私がいないことに気づいてくれるのを待つしかない‥。
ドアも飽きそうにないし。


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