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飃(つむじ)の啼く……
【ファンタジー 官能小説】

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飃の啼く…最終章(後編)-7

「大丈夫だよ」

―どうして、そんな顔で笑えるんだ。

今、たった今、自分たちで死を呼び込んだんだぞ…それも、敵を助けるために。



害には理解できなかった。しかし、理解できないながらも、どこかで感じることは出来た。何か大きな、温かいものが彼らの中にあるのを。それは、彼の父が彼には決して教えなかったものだった。



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澱みが動き出した。

今まで、戦士たちと戦っていた澱みまでもが、不意に背を向けて一つの方向へぞろぞろと移動を始めたのだ。ある種の本能なのか、後一歩のところで止めをさすことのできる相手まで放り出し、彼らはものすごいスピードで動き出した。

「な、なんだぁ!?」

素っ頓狂な声を上げた御祭に、ウラニシが言った。

「何処へ向かうつもりなんだ…?」

彼らの頭上を飛び回って戦場を照らす釣瓶火が、ゆらゆらといったり来たりしながら方向を見極めようとしている。その傍らに飛んでいた、烏天狗の萌葱が声を上げた。

「高架道路だ!やつら、高架道路に向っているぞ!」

「道路?何でまたそんなところに…」

移動し遅れた最後の澱みから南風が剣を引き抜いた。本当にその一体を残して、その場からは澱みが消え去ってしまったのである。面食らう一同の中で、動き出したのはカジマヤだった。

「カジマヤ!どこへ行くのです!」

南風が、駆け出した小さな影を呼び止める。

「さくらだ!」

皆が彼のほうを向いた。いまや、その場にいるすべての戦士たちの注目が小さなシーサーに集まっていた。カジマヤはもどかしげに、その場でぴょんぴょんはねながらよどみの去ったほうを指差している。

「さくらと飃兄ちゃんだよ!二人が生きてたんだ!」

「ほ…本当に…?」

南風がたずねた。

「知らないよ!でも、そうだったらすぐに助けに行かなきゃ、だろ?!」

言うが早いか、彼は一目散によどみの去ったほうへ飛び出していった。


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