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となりの恋心
【幼馴染 恋愛小説】

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となりの恋心-1

『大きくなったら結婚しようね』



遠い幼き日の、君と私だけの約束。



生まれた時から一緒。



そばに居るのが当たり前



君の隣は−−−



−−−−−−−私のモノ





穏やかな秋の朝陽。

心地良い風に落ち葉が舞い始めた頃。


『美波ちゃんッ!!!』

勢いよく開いた窓から男の子が飛び込んで来た。

『翔ちゃん。こんな朝からどうしたの?』

部屋の住人、美波は髪をセットしていた手を止めてキョトンとしている。


『今日……、1組の福井とデートに行くって本当ッ?!』

『うん、行くよ。10時に待ち合わせなの』

美波の肩を掴み、息巻く翔に対し美波はケロリと答えた。


『何でッ?!僕聞いて無いよッ!!!』
『何で?だって言って無いもん』

『何で言ってくれないの?』
『泉ちゃんが翔ちゃんには言わない方が良いって言ってたから』
『ねっ姉ちゃんがッ?』


何で姉ちゃんが…っ、翔の中で焦りがわずかに怒りに変わった。


そもそも2人は親が従兄弟同士で、曾祖父母の遺してくれた土地に、対照的な形の家を建てた。
お互いの子供が窓から行き来が出来たら面白いと思ったかららしい。

両親たちの思惑通り、今年で14歳になる美波と翔は、子供の頃から窓を使ってお互いの部屋を行き来している。

生まれた時からいつも一緒だった2人は、周りから見ても両想いだと分かる位仲良しだ。

でもいまいちヘタレな翔のせいで、


『2人は仲の良い親戚同士』


から進展しない。


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