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気持ちの比例式
【学園物 官能小説】

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気持ちの比例式(Renewal Version)-12

―ピロピロー

携帯の着信音で私は一気に現実に戻された。
「……仕事中だからかけてくるなよ。……わかった。ある程度は掴んでるから。……今から行く。詳しい話はあとで。」
―プチ
「一週間だけ待ってくれ。勝手はわかってる。一週間後の結果で瑠華が納得できなかったら…瑠華の好きなような結果を俺にだしてくれたらいいから。けど、これだけはわかってくれ。俺は瑠華を手放す気なんか全くない。」
まっすぐな視線で私を見た。こんな目で見られたら私…
「…一週間だけ…それ以上は絶対に待ちません…」
「絶対に瑠華を守る…。待ってろ。」
そういうと、私をギュっと抱きしめて準備室を出て行った。
先生を信じてみよう…。
先生は裏切らない…。
何かあるけど言えないんだ…。そう…。信じよう…。
―キーンコーンカーンコーン…
「え〜、小野先生はご家庭の事情で今週はお休みされます。というわけで、先生が化学の授業をみっちりしたいと思います!」
クラスではさまざまな反応が。数学がなくなり喜ぶ生徒、化学になって嫌がる生徒。大半は前者だった。
『一週間待ってくれ』
その言葉が頭を過ぎる。
先生は一週間で何をするつもりなんだろう??
『後5日』
『後4日』
……
『明日で一週間』
いつも玄関に向かう時、数学準備室を見てカウントするのが私の日課になっていた。
先生?本当に明日になったら全部はなしてくれるの?
『手放す気は全くない』
あの言葉は信じていいの?早く明日になってよ…。

―キーンコーンカーンコーン…
「は〜い♪皆!6時間目だからって私の授業寝ないでねぇ♪じゃあ、テキスト開いて!!」
この人の授業受けたくない…。
早く終わってしまえ…。
あ〜…私、性格悪いな…。
テキストを開いても私は全く授業を聞かず上の空だった。
―キーンコーンカーンコーン…
「は〜い♪じゃ、これでおしまい!それと、終礼後ミス海星?英語準備室に来てちょうだい」
「…?!…はぃ…」
一瞬真っ白になった。
今、この人と二人っきりにはなりたくない。
私は蚊の鳴くような声で返事をした。
「瑠華呼び出し?」
心配そうに私わ見る撫子。
「…ぅん…」
何もかも見透かすような撫子の目をどうしても見れなかった。
それに気付いたか気付いていないか
「どうして?」
クリクリと大きな目で不思議そうに私を見つめ尋ねる撫子。
「せっ、成績のコトかな?やっぱり英語悪いから。」
「ふ〜ん。そう…。何かあったら私に言ってね」
優しい目をして私にそれだけを言い残し帰っていった。
「なんだか意味深…」
言われた通り私は準備室に向かった。
―カチャガチャン
「意外と早かったわね。来ないかと思ったわ。」
椅子に座っている桜坂先生の短めのスカートからは、綺麗な足が伸びて、相変わらず大きな目で私を睨みつけるように見てくる。
「用件は?」
早くこの場から立ち去りたい。
「まぁ、そんなに焦らないでよぉ。」
椅子から立ち上がり私に近づいてくる。
「……」
「あなた、結局裕也とは別れたのね?」
にんまりと私を見て言った。
桜坂先生の甘い香水の匂いがひどく印象にのこった瞬間だった。
…ど…どういうこと?
「あら?反応がないということは何も聞いてないのぉ?」
とりあえずしらをきり通さなきゃ…。
「何のことですか?英語に関係ないようなので帰らせていただきます。」
「私と裕也は肉体関係があるってことよ。」
雷に撃たれたような大きな衝撃がはしった。
「あなたがあの日来た後、食事をすませてからね。裕也は女関係は昔から激しかったけど、1人と付き合ってる時は絶対他の女とは寝ないのよ?私と関係を持ったということはあなたとは終わったってことよ」
どうしてこの場で立っていられるのかが不思議なくらいだった。
「珍しかったのよ。あの人の周りにはあなたみたいなタイプがいなかったもの。よかったわね夢が見れて。」
先生の嘘つき…。手放さないって言ったじゃない…。もう、信じては待ってられない…。


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