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気持ちの比例式
【学園物 官能小説】

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気持ちの比例式(Renewal Version)-1

キーンコーンカーンコーン……ザワザワ
「ねぇ〜、瑠華ぁ。数学わかんなさすぎて泣けてきちゃう」
と、私、海星瑠華の友人である超文系人間、本国撫子(名前からして文系)が嘆いてくる。
「まぁたぁ?授業聞いて復習したらわかるって!」
「っち…頭のイイ人はこれだからイヤになっちゃう」
目線をそらして呟く撫子。
私は冗談まじりで
「家庭教師代とるわよ」
とにこやかに言うと
「申し訳ありません。瑠華様!(笑)」
「わかればよろしい♪今日も図書館へLetsGO!」
こんな、ごくあたりまえの会話を楽しんでる高校2年の私達。
カツカツカツカツ…。廊下を颯爽と歩く人
「数学の話しをしてたら来たよ来たよ、アイツが」
と、私の後ろにサッと隠れて撫子が囁いてきた。
っ…ドキドキドキドキ。
私の心臓はあの人が近づく程高まっていく。
寝癖がついているボサボサ頭に無地のTシャツにジーンズ姿の冴えない男が
「本国、図書館に通ってんだからもう少し数学の成績あげろ」
とさらっと嫌味を吐く。
「うるさいわよ!私よりも悪い人いるでしょ?!何よ!いつもいつも!私を見たらそれしか言えないんですか?先生!?瑠華何とか言ってよぉ」
撫子が私の袖をひっぱりながら、あの人に抗議をしている。
「海星も数学以外の教科をなんとかしろ。英語の先生が嘆いてたぞ」
「っ…はっはい!頑張ります」
「ちょっと!先生!瑠華には優しいくありません!?」
日本人形のように透き通る白い肌を赤らめてあの人に突っ掛かっている。
すると、あの人は余裕の笑みでつきかえす。
「成績が俺の態度にでるんだ」
「っちくしょぉー!古典なら誰にも文句言わせないのにぃっ!べーっだ!先に図書館行ってるから来てねっ、瑠華!」
撫子は、綺麗な黒髪を揺らして図書館へ向かって行った。
「ちょっと!私をおいてくのぉ?ねぇ?」
撫子は遠くの方で見えている…
「置いてきぼりだな。」
口元をにまりとあげた、ボサボサ頭の男、小野裕也が言う。
「小野先生のせいですっ。あんな意地悪なコトばっか撫子に言うから…」
「意地悪なのが瑠華の好みなんだろ?今日から、御両親出張なんだろ?家に来いよ。旨いもん食わせてやる」
最後の部分は私の耳元で低い色っぽい声で囁いてくる。
「っ先生…!ココ学校!近づいちゃダメです!」
私は先生をおもいっきり突き飛ばしてしまった。
「っち…つれねぇなぁ。あ〜厄介なのがきた…」
こんな会話を先生と生徒がしてるなんておかしいんじゃない?って思ってる人いませんか?
でも、恋人同士の会話なら不自然じゃありませんよね?
私、小野先生の彼女なんです。悪いコトしているカモしれない。けど、私が好きになった人がたまたま年上の学校の先生だっただけ。
あと1年たてば卒業。先生と生徒じゃなくなる。それまでは、神様…見逃してください…お願いします…。
さっき、先生が言ってた厄介な人とは、大学が同じだった帰国子女の桜坂樹李先生。
人生の半分以上を海外で過ごしていたから振る舞いが日本人離れしている。
「Hi!裕也っ♪」
桜坂先生が小野先生の頬に挨拶がわりにキスをしようとする。
「ここは学校で日本だ。近寄るな」
先生の冷たい一言。
「もぉ〜小野先生は厳しいんだからぁ。まぁ、ミス海星!探してたのよ」
大きい綺麗な目が私の目とあう。
「えっ?何か?」
すこし不機嫌な私はそっけない返事をした。
「英語の成績の件よぉ。長文をもっと練習なさい。あなたは直ぐに伸びるタイプだから勉強して損はナイわぁ。頑張って♪Goodbye」
少し短めのスカートからのびた綺麗な足で私達から離れて行った。
「嵐みたいな女。あーいうのは俺ムリ。」
先生はうんざりした顔で遠くを歩いている桜坂先生を見ていた。
多分、私が不機嫌な顔をしたからだろう。
そんなさりげない優しさが好き…
「じゃ、また後でな」
と先生は私の頭をクシャクシャにして歩いて行った。
…私返事してないのに…。強引っ…。
―ギッィー、ガチャガチャ―
図書館に入って、私は撫子を探した。
「瑠華ぁ、遅いよ〜。わかんない問題大量!」
机の上にデローっと倒れ込んでウルウル目で私に助けを求めてる撫子を発見した。
「ゴメンゴメン。色々と引き止められてっ…」
私達は黙々と数学を解いた。あっというまに日は暮れて下校時刻。
「さってと、帰ろっか?数学ばっかしてて頭おかしくなりそぉ〜」
そう言うと撫子は、いそいそと鞄に問題集と筆記用具を入れ出した。


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