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初恋のハジメ方
【初恋 恋愛小説】

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初恋のハジメ方 act.4-2

――――そう言われてからあれこれ悩むも、結局誘うのはこの人しかいないと大学構内のカフェに呼び出したのは大学に入ってからの親友の葉山 梓という子である。
授業のため少し遅れて到着するとお目当ての人物はもうすでに着席済みだった。

「遅れてごめんね梓ちゃん。」

そう謝りながら彼女の向かいに座ると、

「いいわよ別に。 授業だったんでしょ?アタシは講義なかったから早く来すぎただけだし。」

謝る柚子にそう返すと開いていた雑誌を閉じてテーブルの上に置いた。

「梓ちゃんそれなぁに??」

先ほど彼女が読んでいた雑誌に興味を示すと、

「あぁこれ? 高校野球の雑誌よ。もうすぐ夏の予選だし気になって買ったの。」

ホラ、と言いひっくり返された雑誌の表紙を見るとそこには格好こそ見慣れないユニホーム姿だが、最近見慣れている人物の顔があった。
それを見て驚いた表情して雑誌を見ている柚子に梓は、

「スポーツに興味がない柚子でも、さすがにこの人は顔くらい見たことあるんじゃない??よくニュースとかでも特集されてたし。 天野 優人、去年一年生にして夏の甲子園でチームをベスト4にまで導いたピッチャーよ。」

と説明をくわえてくるた。
しかし見たことがあるもなにも、彼とはここ数週間かほぼ毎日のように顔を合わせているのである。しかし、その彼がそこまですごい人物だとは知らなかったのでさらに驚いてしまう。
驚いた表情で雑誌を眺めたままの柚子に少し違和感をおぼえたのか、

「柚子あんた、どうしたの??」

と聞かれてしまった。それに動揺してしまい慌てて、

「なっなんでもよ!」

と誤魔化そうとするも、

「ウソ言いなさい。 あんたのウソはわかりやすいのよ。誤魔化さないで話しちゃいなさいよ!」

とさらにつっ込まれてしまう。それを聞いて柚子は困ってしまった。
以前に彼に助けてもらったことは彼女にも言ってあったが、その後のことは話すタイミングがなかったのもそうだが、まったく話していなかった。また前に話した時のように色々と騒がれるのを嫌ったからだ。
優人と過ごす時間はとても楽しくて、恋とかそういうことは考えないで今はただ彼と過ごす時間を楽しみたいと柚子は思っていた。しかしその一方で、彼女が自分を思って色々と世話を焼いてくれているのもわかっているのでその気持ちも無碍にすることも梓に対して申し訳ないとも思っていたので今まで話さないでいた。
しかしもう確信を突かれてしまい、ここでさらに隠し通すことは彼女に対して悪いと柚子は感じた。

「あのね、実は……」

柚子は今までのことを話そうと決めて梓に説明しだした。


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