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「保健室の小さな秘密」
【教師 官能小説】

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想いの輝く場所(前編)-6

「手がふやけちゃった」
濡れた髪の毛を乾かしてあげていると、奏子が手を見ながら言う。

そう言うオレの指もフヤフヤだ。
ふやけ過ぎて髪を指で梳いててもあまり感覚がない。

よほど疲れたのか、奏子がふぁっと小さく欠伸をする。

乾かし終わって、帰る準備をしていると後ろから奏子がおぶさって来た。
そんな可愛らしい行動されると帰りたくなくなるんですけど。

「奏子、明日の夜ヒマ?」
「うん。どうして?」
「泊まっていい?」
明日で学校は最後だし、バイトもないし。

奏子は腕を一瞬解いて。もう一度ぎゅっと抱き付いて来た。

「待ってるね」

お化粧を落とした奏子が微笑む。
その笑顔が余りにキレイで、帰るのが名残惜しいけれど。明日会えるのを楽しみにして、最後にキスをして部屋を出た。
「じゃ〜、元気でな!」
「次は卒業式のリハか。長いな〜」
「休み中も声かけろよ!」
みんなが口々に別れを惜しみながら、帰って行く。

確かに学校で会うのは約1ヶ月後になるわけだけど。
どうせ同じ自動車学校に行くんだから顔を合わせるし、どうせ変わらないのに、と思いつつ手を振り返す。

「さて…と」
おおかた帰った所で席を立つ。
もちろん行き先は保健室。

学校を卒業したら奏子とここで会うこともなくなるんだろうな、と少し感傷に浸る。

ドアを開けると、机に伏せる奏子が見えた。
そっとドアを閉めてゆっくり奏子の方へ向かう。

「…寝てる」
なんかこの前も寝てたな。
まあ確かにエアコンでぬくぬくした部屋だと眠くもなるか。

それに…昨日やりすぎたかも。

寝息をたてる奏子の後頭部にそっと口付けをして。
「絆創膏くださ〜い」
と小さく呟いてみたけれど。
特に反応がなかったので、そのまま保健室を出た。


奏子は、オレの事をどう思ってるんだろう。

最初は奏子と付き合えるだけで嬉しかった。名前を呼んでもらえるだけでも。
その時は、一瞬一瞬が大事で、先の事なんて全然考えてなかった。

でも、今。

もっと奏子と一緒にいたいと願う自分がいる。
出来ることなら、ずっと。


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