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「奇妙な趣味」
【ミステリー その他小説】

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「奇妙な趣味」-1

「彩、彼と別れたんだって?」

「あいつは奇妙な趣味を持っていたから…」

親友の麗子にそう話しながら、彩は深々とタバコを吸い込んだ

「どんな趣味を持った彼だったの?」

麗子は興味深々で彩に聞いた

しかし、彩は黙ってしまった



「もうあんな彼、会いたくもない…」

「あんなに好きだと言ってたのにネ…」

そう言う麗子は、彩と違って、
最近知り合った彼とラブラブだったのだ

内心、彩が落ち込むのを見ると
自分の幸せが更に倍増するように思える麗子だった

私は世界一の幸せ者よ!!

彩には言わないが、麗子はいつもそう思っていた

優しい彼に、ラブラブな麗子


ある日、彩と居酒屋で飲む事になった

かなり酔った彩が、自分から元彼の妙な趣味を語り出した



「実は…夜中になると、彼はこっそりと布団から出て行くの…」

「え? で、何処へ?」

「最初は気付かなかったの…」

ある日、彩は見てしまったのです

彼が屋根裏に上る所を…

「で、どうなったの?」

麗子が生唾を飲みながら聞いた



「それが…、どうも私が寝てる姿を、
ジ〜っと天井の穴から覗く趣味があったみたいなの…」

「え〜、キモいじゃ〜ん」

「それで先日、彼と別れたのよ…」

その話を聞いて、麗子はまた心で笑った

そんな男と出会う彩がバカなんじゃない?って…



そう思うと、幸せな麗子はまた苦笑いするのだった



その夜…


彼の腕枕でラブラブで寝る麗子



グッスリ眠りについた頃、そこには彼の腕枕は無かった…



ギ〜、ミシミシ…、ギ〜、ミシミシ…



天井から、きしむ音が…



真っ暗な天井の穴に、
キラリと光る目玉がじっと麗子を覗いていた…      【完】


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