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「偽り」の恋愛から〜不器用な愛〜
【純愛 恋愛小説】

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「偽り」の恋愛から〜不器用な愛〜-1

俺たちはあまりに恋愛に不器用すぎた。
俺はあいつの気持ちに気づかず、そして自分の気持ちにも気づかずに、ただあいつにぶつけてばかりいた。
あいつは俺のことが好きだって言うのに………
俺はゲームに負けて、罰ゲームとしてあいつに告白した。
告白した相手は、いつも孤独な奴だった。
それは俺と同じかもしれない。あの事件があってからは。
その時から人と深く関わることを避けていた。
悲しむのはもう、嫌だから。
周りから見ると可愛いかもしれない。
たしかに俺もそう思っていた時期があった。
でもあいつは人を引きつけなくて、自ら近づこうともしなかった。
だから独りだったのかもしれない。

あいつは、どんくさい。
よくこけるし、遅いし、よく失敗するし。
だけどまじめにやるし、人の言うことをちゃんときくような奴。
それでも、誰も頼もうとはしなかったが。
告白して、結果付き合うこととなった。
俺はあと数日間を遊ぶだけ、のために遊び半分で付き合っている。
遊び半分で告白もした。
でもあいつはまじめに受け取って、嬉しそうな顔で……。
だから期限の一週間を過ぎても言えなかった。
遊びだということを。
ただ、あと数日間を遊ぶだけのためだったということも。
その数日たったら、俺は引っ越しをする。遠い外国に。
だからあいつとはケリをつけなきゃいけなかった。
しかし俺は言うことが出来ない。
それを言ってしまうと、あいつが傷ついて立ち直れなくなってしまうかも知れない。
ものすごく、怖い。
言えないせいで、時間が過ぎゆくばかりだ……。
あいつと付き合い始めた頃は、あいつドジばっかりで、おもしろくもなかった。
でもあいつと付き合っているウチに、俺は周りから変わったとも言われた。
出来る限り深く人と関わるのをさけていた、俺が、だ。
何故、俺は変わったんだろう。
それにあいつと一緒にいると、おもしろいと思うようにもなってきた。
まさか、俺があいつのことを……。
そして事件は起こる。
俺の表面上の付き合いしかない友人に、俺の考えがばれてしまったから。
ゲームで負けて、告白したことも。
そして嘘の付き合いだったことも。
それを聞いてあいつは、泣いた。
そんなことを言われれば俺は誰だって泣くと思った。
あいつは泣いて、その場を立ち去った。
俺は何も言えずに。
もう、どうでもいいと思ってた。
別にあいつとは遊び半分の付き合いだったし。
だけど、俺は苦しかった。
何故だろう、あいつがいないとなんか寂しかった。
横にいてくれた時の笑顔。ちょっとすねたときの顔。
怒って、もうしらないと、むすっとした顔。
あいつは可愛かった。
そして俺がおちつける場所だった。
もしかして、ほんとに…。
だから、俺は離れなければならない。
だから俺は明日、別れる言葉を言って引っ越しをしよう。
俺は、あと2日しかないから…。

次の日。
俺は学校に来たが、あいつの姿はなかった。
俺は伝えることができなかった。
だから家に向かおう。家に行って話そう。

・・・
・・


家に向かったはいいが、呼び鈴を押してもあいつは来ない。
何度呼んでも出ない。
だから、俺は玄関で想いを伝えることにした。
遊び半分で告白したことについて。
遊び半分で付き合っていたこと。
そして、今気づいたこの好きな気持ちを。
俺はあいつのことが好きになっていた。
あいつがいないと、もやもやして苦しくて寂しくて。
だから俺はあいつのことが好きだと分かった。
その想いを、届いているかも分からないあいつに伝えた。
そして最後に引っ越しのことを。
今まで伝えることが出来なかった、別れのことを。
全て、伝えた。
もう俺はあいつに会うこともないだろう。
あいつはあいつで、幸せになってほしいと思う。
いろんな想いを持ちながら、家へと帰った。


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