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ウソ
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ウソ×C-4

「…俺は、何?」
「別に」
「あんた言い訳したいんじゃなかったの?結局濁してんじゃん。どうせあたしの価値は五千円よ」
小松の話を聞いてる間に手はすっかり止まってしまって、再び作業にとりかかった。
「大体そんな話されても、あんた達の事信用したわけじゃないからね!睦月だって、もう…」
「睦月の事くらい信用してやれよ。あいつ今日お前のフォローでいっぱいいっぱいだったんだぞ」
「自業自得じゃん!無断欠勤もしたくなるでしょ!?」
「無断じゃねぇよ、お前は原因不明の高熱って事になってる」
「…は?」
「睦月の計らい。あいつに全部話したよ、俺が主任に頼まれた事もみんな。すげぇ落ち込んでた。自分だったら立ち直れないって、一日携帯が繋がらないから松田に嫌われたって」
「携帯解約したもん」
「…お前のその行動力何だ」
「キレたあたしをなめんなよ」
睨んで、今度は枕カバーを取り出す。
「俺も嫌われたか」
「当然」
「そっか」
「…そうよ」
あぁ、胸が痛い。
そんな簡単に嫌いになれるなら苦労しないよ。
でも、そーゆう事にしておかなきゃ。
今日はあたしが嘘つきになるんだ。
「昨日、お前も主任を呼び出したんだな」
「あたしじゃなくて睦月がね。話つけて小松んとこに行けだって!」
「…あぁ」
"あぁ"!?
それだけ?
こっちはわざわざ語尾を強めて嫌味言ってるのに!?
「お前があの場にいたって聞いた時、心臓止まるかと思った」
「こっちのセリフだ」
「お前に聞かれてるって知ってて主任はベラベラ喋り続けたんだろ?」
「そうね」
あんな男を好きだった自分が一番嫌いだ。
優しくてかっこよくて大人だと思ってたのに、ただの陰険エロじじいじゃん!寄りによってあたしと睦月を天秤にかけるなんて…
「殴ってやりたい?」
「当たり前でしょ!」
「良かった」
「何が?」
「もう殴っちゃった」
「………は!?」
「ここに来る前に、主任殴ってきた」
「えぇっ!?」


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