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『僕の瞳に映るのは……』
【純愛 恋愛小説】

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『僕の瞳に映るのは……』-6

「どうしてそんな顔で笑うの?なんか切ないよ。」

冷静沈着で無感動……
今まで言われてきた僕のイメージ。だけど、本当の自分に気付いてもらえなくても別に構わないって思ってた。

なのにどうして君はわかってしまうんだろう、ありのままの僕の心に……

「あのさ、少し先に僕の好きなところがあるんだ…。よかったら付き合って欲しいんだけど……」

自分の気持ちを見透かされない様に僕はそう言って、ゆっくりと歩き出した。

いつの間にか辺りは夜の帳(とばり)が降りていて、心細げな街灯が歩道を照らしている。うわの空のまま歩いていた僕は、突然聞こえた茜の叫び声で我に返った。

「智則!!危ない!!」
「え?…うわあぁっ!」

激しく鳴るクラクションにスキール音。そしてドライバーの罵声……

ついうっかり信号を見落として車道に出てしまった僕は、茜の叫び声で間一髪、危機を免れた。


「馬鹿!!どうして信号を見ないのよ!!」

ついさっきの出来事に、よろめく足取りで公園のベンチに座った僕を待っていたのは、茜のカミナリだった。

「…ゴメン……」
「ゴメンじゃないわよ!!死んじゃうとこだったのよ!!本当に死んじゃうかと思ったのよ……」

半分泣きながら、茜は怒っている。

「死んじゃったら……独りになっちゃうのよ……」

最後に呟いた茜の言葉は、きっと僕の心配……
そして自分の境遇……

その二つが混ざりあっている様に聞こえた……

「独りじゃないさ。きっとね……」
「どういう意味?」

そうしたら君と手を繋ぐコトだって、震える小さな身体を抱き締めてあげるコトだって出来るだろ?

本当はそう言いたかったけど、何でもないって首を振るしか僕には出来なかったんだ……

「あたしのコト……そんな風に見てたのね?…あたしが幽霊だから……」

途切れ途切れの声が聞こえて僕は茜の方を見た。

震える唇……
震える身体……

冗談っぽく、はぐらかしたつもりだった。だけど…

「…あたしが…そんなつもりで声を…掛けたって、思ってたの?……」
「違うよ!!そんなコト思ってない!」
「じゃ、どうして!?」
「それは!!……」

そこで僕は言葉に詰まってしまった。本音を言えば彼女の誤解は解けるかもしれない。だけど、その先に待っているのは更なる哀しみ……
だから、言えない……


僕は君が好きだから……


「もういい!!智則なんて大っ嫌い!!」

決定的な一言を残して茜は姿を消してしまう。そして誰もいなくなった公園には僕一人だけが取り残されていた。


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