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アイドルヲタですけど何か?
【青春 恋愛小説】

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アイドルヲタですけど何か?-3

終電に2人で乗って、途中の駅でチサさんと別れた。
私は1人、電車の中で携帯を開く。
データフォルダに入った1枚の写真。私とチサさんが写っている。ライブハウス前で撮ってもらったものだ。
私はそれを見て、携帯を抱き締める。



夢じゃない。
本当に私、生マサトに会えたんだ。



サインだって握手だっていらない。

だって、毎日会えるから。毎日、夢の中で優しく私の名前を呼んでくれる。
そしていつもこう言うの。「優里、お前のために歌うからね」って。



あぁ、早く家に帰りたい!!

そしてベッドに飛び込んで夢の世界に行くんだ。



私とマサトだけ、2人だけの世界へ。





──翌日。

気だるい体を起こして学校に行く。
結局、家に着いた後チサさんと掲示板でライブについて語り合って、寝たのは2時。さすがに疲れてしまった。





「おはよー、真樹」

教室に着くと彼女は何か本を真剣に読んでいて、私がそう言って挨拶すると、顔を上げて手を振ってきた。

「おはよう優里!」

「それ、昨日発売したっていう『ツンない』?」

そう言って本に目を向けると、真樹は瞳を輝かせた。

「そうなの!!これ、すっごく面白くって…。あのね、漫画のノベライズ本って、ほとんどが漫画より質落ちてるんだけど、これは違うのよ。きっとこれを書いた人も『ツンない』好きなんだろな」

「ふーん」

「優里は?昨日、家の用事大変だった?」

「あー、…うん、でも大した用事でもないし」

「そう?なんだか日焼けしてるから、外にいたのかなーって思って」

そう言われて、とっさに腕を見る。明らかに浅黒く焼けていた。昨日朝から外で並んでいたせいだ。

「あっ、ちょっと昼間外出したから…」

「そっかー」





そんな風に会話をしていたとき、そいつはやって来た。


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