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一夜
【姉弟相姦 官能小説】

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一夜-1

「静かに」
私は恭介の口を塞いだ。
「なんだよ?」
恭介は突然の事に面食らった様子でイラついた声を出す。
「弟が帰ってきたの」
私は言った。
隣の部屋でがたがたと聞こえる物音。あの様子だと自分の部屋じゃなく、まだリビングに居る。
「丁度いいじゃん」
恭介は笑い、塞いでいた手を掴むと私をベットに押し倒した。
「弟にも聞いてもらおうよ、お前の喘ぎ声」
恭介は私の体を愛撫し始める。微かに声が漏れる。今更隠したってきっと気付かれてる……私がいつもこの部屋に男を連れ込んでいることは。
 私は抵抗を諦め、恭介の腕の中に身を任せた。


気付けば夜中の二時過ぎだった。私は恭介をマンションの下まで送り、目を擦りながら家のドアを開けた。
「姉さん」
一瞬幽霊でもいるのかと足がすくんだが、玄関に佇んで私を見つめていたのは弟である安里(あさと)だった。
「……どしたの?」
私は目を合わせないように安里の横を通り過ぎる。安里にあんな淫らな自分の喘ぎ声を聞かれたかと思うとたまらなく消えてしまいたかった。
「姉さん、大丈夫?」
透き通った瞳が私の胸のうちを探ろうとする。そんなに疲れた顔してるのかと鏡を見てみたけど、いつもと変わらないように思える。
「別に疲れてないけど」
「いや、そうじゃなくて」 安里は下を向いたまま、何か言いかけたが止めた。
私は珈琲を一杯、カップに注ぐと、それを持って自分の部屋に向かった。
「何もないなら寝るね、おやすみ」
閉まっていくドアの隙間から安里の視線を感じた。




安里と私は小さい頃から仲良しだった。だけど、仲が良すぎて周りから気持ち悪いとよく言われた。
安里は学校で家族の話しかしなかった。それもお姉ちゃんの話ばかり。『シスコン』とあだ名を付けられてよくからかわれていた。高校の二年生位までそれが続いたので、ある日母が学校に呼ばれたのをうっすらと覚えている。
メールをする相手も、電話を掛けるのも、どこかへ出掛ける時も、決まって相手は安里。安里だから嬉しくて、安里だからドキドキした。
親が仕事に行ってる間にキスをした。学校からの帰り道は毎日手を繋いで帰った。
私達にはそれが当たり前で、それが幸せだった。だけど……それは違った。
姉さんの裸が見たい、安里のその言葉がきっかけで私達は一緒にお風呂に入るようになった。何もしない、ただ抱き締め合って、キスをする。それがその時の私達の精一杯だった。
 だけど、その現場を母が見てしまった。母は目を剥いた。そして顔から血の気が失せ、怒り、泣いた。
 親は私達のことを仲良しの姉弟だと思っていた。私も安里のことが大好きで、安里も私のことが大好きで……だから私達は本当に仲良しの家族なんだと私は思っていた。だけど、親の思う『仲良し』と、私達の思う『仲良し』は違う、それを理解した時にはもう手遅れだった。
高校を卒業すると同時に私は追い出されるように実家を出た。それから三年あまり、安里の事は何も知らないし、会う事すらなかった。私は他の男に没頭した。すぐに部屋に招き入れてはセックスした。満たされないから埋めるのに、その行為は更に私の心に穴を空けているようだった。
そんな日常の中で安里は再び私の前に現れた。父さんと母さんには秘密だからね、そう言って弟は無理矢理私のマンションに引っ越してきた。それ以来というもの、この奇妙な同居生活が続いている。
私は部屋の電気を消してベットに潜り込んだ。深い闇の中で、幼い頃の安里が笑っていた。


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