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moon
【純愛 恋愛小説】

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moon-2

「さっきも言ったけど、月って人の心に似てると思うから…」

いつもよりやや低めの声音でそう言われ、反射的に月へと視線を移すと、それは先ほどよりもはっきり確認することができた。
昨日が丁度満月だった為、少しだけ欠けた月はまるで…

「人の、心…」

その言葉がピッタリ当てはまる。
僕は吸い込まれるように、じっと月を見つめ続けた。

「うん。月ってさ、決して満ち続けることってないじゃない?それって人の心にもあると思うの。」
そう言い終えた後もなお月を見続ける君には今、僕がどんな顔をしているかなんて解らないんだろうね…?

満ちたと思ったらかけていく思い。
君もそんな思いを抱えているの?
君も、僕との距離を感じて寂しくなったりするの?
僕と…同じ…?
そう思うと、無性にうれしくて、愛しくて、それ以上に悲しくなった。

僕は君から見えないように再び彼女の肩に顔を埋めた。

こんな想いをするのは僕だけで良いのに…
こんな苦しい想い、君にはして欲しくないのに…

「愛してるよ。」

肩からそっと顔を離し耳元でそっと囁き、君を力強く抱きしめると、

「苦しいょ」

と、苦笑混じりの君の声が僕の耳をくすぐる。

「愛してる。僕は君だけを愛してるよ。」

普段あまり口にしない言葉を口にする度、その感情は抑えきれないほど高まり、ポロリと一粒の滴が頬を伝い落ちた。
その瞬間、君が動こうとするのを感じ、少しだけ力を緩めると、彼女はゆっくりと振り向き、向き合う形となった。
最初彼女は、泣いている僕をみて、驚いたように目を見開いていたが、やがて大きな瞳を半分まで細くし、僕の頬にその小さな手で触れた。治まらない僕の涙を一粒一粒大事そうに拭う君が月光に反射して消えてしまいそうな感覚に引き込まれた。
君が消えてしまう、そう思った瞬間、とっさに彼女の背に腕を回し、強く抱きしめた。
例え、一つになれなくても…

例え、お互いの距離に不安を覚えたとしても…

僕は、君さえ居てくれればそれで良いから…



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