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気持ちの比例式
【学園物 官能小説】

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気持ちの比例式-11

「巻き込んでしまったな…」ボソッと呟くような声。
「私まったくこの状況読めてない…」気の抜けたコメントを返してしまった私。
先生はやわらかく笑い背広を脱ぎ椅子にかけた。
「あ〜そうだな話すよ全部…。俺の家に泊まりに来た時に写真を撮られて脅されたんだよ。別に俺は学校にばれても構わんが瑠華がな…。まだ高校生だし、俺のせいで人生をめちゃくちゃにしたくなかったんだ。だから仕方なくあいつの出す条件をのんだ…。でも、仕方がなくても瑠華を傷つけたのにはかわりはない。すまない。」
「準備室でのキスは?」
「やっぱり見てたか…。振り向いたらされた。あの手の女は思い通りになったと思わせられたら、扱いやすいから応えた…。」
「そのキス…よかった?」不安げに聞くと先生は眉間にシワをよせて
「はっ?んなわけねぇだろ。気持ち悪いにきまってる。今までキスなんてどうも思ってなかったが瑠華以外のキスがあんなに気持ち悪いってのが初めてわかったよ…」
「…本当?」
「嘘じゃない…」そういうと先生は顔を近づけてきた。
「やめて!まだ話は終わってない!」
「…」
「桜坂先生と……し…しっ…」恥ずかしくてなかなか聞けないと
「やってない。」きっぱりと先生は答えた。
「瑠華の時みたいに触りもしてない。ただものを入れただけだ。」
「ど…どうして?」
「さっきも言ったが、瑠華以外の女ではヤル気がおきない。」
「どうして?」
「……瑠華に溺れてるから。」目をウロウロさせながら先生は答えた。
「せ…裕也?どうして?私の目を見て言って。」
「…瑠華を…愛してるから…」
いつもの余裕の裕也じゃなかった。いっぱいいっぱいみたい…。
「絶対許してあげない。私だけを見て。私以外の人は見ちゃだめ。もちろん触ってもだめ。私だけに縛られてて…」
裕也の前じゃ、ただのワガママ女になってしまう…。けど…。
私は裕也に一歩近づき腕を首に絡めた。
「かしこまりました、女王様…。…瑠華になら…縛られてもいいな。」
「裕也って、絶対Sだと思ってた…」真剣な目で相手を見つめる。
「瑠華…んなこと、真剣に言うなよ…。」
「えっ?違うの?!」
「っくく…。まぁ、ベットではSだがな」
一瞬で私は真っ赤になってしまった。そんな…具体的にSになるときなんか言わなくてイイのに!
「先生のばか…!」
頬をふくらませて本気で拗ねてる。そんな表情が俺のSをくすぐるのをわかってないのが天然の恐ろしさだ…。襲いたくなっちまう…。
自然とどちらからともなく唇が近づき深いキスを…。一週間離れていた時間を埋めるかのようにお互いを確かめあうキス…。
どれくらい時間がたっただろうか?ようやく二人の唇が離れ目を合わせ微笑みあい柔かな優しい時間が流れ出す。
「あっ!」突然、瑠華は大声をだした。
「何だっ?!びっくりするだろ急に!」
「もう一つ聞きたいことがあるの」
「何?」
「先生の職業って?」
しばらく先生は黙り込んでイタズラを思いついた子どものような顔で言った。
「数学教師♪」
…絶対嘘だ…。

―END


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