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下駄箱
【少年/少女 恋愛小説】

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下駄箱-1

その日は特別な日だった。2月14日、バレンタインだ。女にはわからないかもしれないがもてない男にとっては最悪な日だ。そう俺、飯島孝之(いいじまたかゆき)もその一人だ。
「あぁ最悪だな。なぁ、かずっさん。」
「チョコなんて大嫌いだぁ―!」
登校途中永作一樹(ながさくかずき)とばったり会いバレンタインについて語り合っちまった。ちなみにこいつは体重90キロ、チョコをもらえるはずがない。最後には見た目なのだ。

「はあぁ〜全世界のチョコが爆発すればいいんだ。」
「何言ってんだ。ばか。」
 そして学校につき下駄箱を開けてみた。そこにはラッピングされた。箱があった。
「うわあぁぁぁぁ。」
「どうした!爆弾でもしかけられたか。」
「チョ!チョ!チョ!」
「チョビヒゲか?」
「チョコじゃアホ。」
その箱の下には手紙が入っていった。
「飯島孝之君へ・内山美野里(うちやまみのり)。」
内山美野里とは俺の初恋の人だ。

「ははははっ。」
「なぁ。」
「んっ?」
「毒がはいってんじゃねぇの。」
「ははっ、僻むな不細工。」
「死ね。」
俺は有頂天で教室に入った。俺の前の席は内山美野里だ。いやでも視界にはいってしまう。
「おはよう。」
「…………」
ふふっ照れてるのか。しょうがないなぁ。俺は他の人には聞こえないような声で話し掛けた。
「チョコありがとな。」
「は?」
あれ?おかしいな?
「いやチョコ…」
「何の事?」
その時、後ろから笑い声が近づいてきた。
「ははははっお前信じすぎ。」
「お前がチョコもらえるわけないだろ。」
「ばーか。」
その時、俺の中の何かが切れた。
「てめぇら、なめてんのかこら、殺すぞ!」
「なんだよ。ギャグじゃん。」
もう言葉をだすと涙が出そうなので。俺は手短にいる一人をぶん殴った。
「先生!」

 誰かが先生を呼びに言ったらしい。その後、俺は先生に怒られ教室に入ったら冷たい目で見られた。
「ちっ。」
俺は、皆に聞こえるように舌打ちをして、自分の席にうつむいて歩いていった。放課後まで俺は一言も喋らなかった。
「おい、島!」
「…んっ。」
「元気出せって。いいじゃん毎年もらってないんだし。」
「うぅ…」
思い出したら涙が出てきた。
「おい!泣くなよ、俺がいじめたみたいだろうが。」
「だってさ…だって。」

俺はその後、何も話さず下駄箱に行った。中を見たら、またチョコがある。俺はそのチョコをごみ箱に放り投げた。
「おい!何!捨ててんだよ。」
「また嘘だよそれ。だってまた名前内山だもん。」
「帰るか…」
「あぁ…」
俺は、後ろに入る内山美野里の視線に気が付かないまま家へ向かった。

FIN


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