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フリースタイル1-5

「実香ちゃん、歌うまいね」



そう言ってあたしの横に座り込む。
あたしもそのまま恭介さんと同じように座った。


「この曲でラップできるなんて思わなかった」

「ラップできない曲なんてないさ。フリースタイルだもん」


そんな事は、わかってる。

でも違うの。

あたしが言いたかった事は違くて、


なんてゆーか、


すごくキレイだったの。



まるで恭介さんのラップに合わせてこの曲が作られたみたい。



…なんてそれは言い過ぎかもだけど。




でも


なんだか歌っててすごく気持ちよかった。




あたしは自然にまた口ずさんでいた。




恭介さんはそんなあたしの髪をなでながらあたしの瞳をまっすぐに見つめる。



「…ちょっとだけ黙ってて」


そう言われて口ずさむのをやめたあたしに恭介さんは軽くキスをした。





あたしは小さい頃から人見知りが激しくて、初めて会った人とは弾んだ会話もできない。


ましてやキスなんて…


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