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ネッタイギョ
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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ネッタイギョ-1

水槽の中の
ネッタイギョ

ゆらゆら泳いで
きらきら光って

きれいだねって
アナタは言う。


私は魚たちに
アナタの家族は
何処にいるの?と
問いかける。

そんなこと
くだらないって
掃いてしまわないで


こんな狭い箱の中
おもちゃみたいに
飾られてるの

家族は知らない
海にいるのか
水族館にいるのか
もう死んだのか…。

青い海
広い海

あそこにいたのは
昔の話

もうあきらめた



水槽の中の
ネッタイギョ

ゆらゆら泳いで
きらきら光って

きれいだねって
アナタは言うの

私はちっとも
きれいと思えない

ネッタイギョの目
寂しさと諦めで
彩られた目

ネッタイギョの目
いつの日かくる
死を待っている目



ぬるいお風呂に浸かると
思い出す
ネッタイギョの目


アナタの目に
良く似ています

深く深く刻まれた
寂しさと諦めの色


溶かしてあげたいよ
アナタの心




私ゎアナタの
海になりたい

広くて青い
海になりたい


どうか諦めないで
夢見ること

どうか諦めないで
生きること


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