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【SM 官能小説】

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花鳥風月[3]-1

座り込んでしまって、もしかしたら、スカートの中も丸見えだったのかもしれない。スカートの長さは悩んだ挙げ句、ミニスカートにしたから。
 そんなこと考える余裕もなく、命令に背いてしまったという罪悪感のようなもので頭はいっぱいだった。
 近寄って来たご主人様が手を伸ばしてきた時『ぶたれる!』と思って身を縮こまらせた。

 ご主人様の腕に包まれた。頭をなでてくれている。一瞬、何が起こったのか、わからなかった。
「よく頑張ったね。」
 褒められた…?なぜ?脳内にハテナマークを浮かべながらご主人様を見ると、微笑んでいた。
「少し、試させてもらったんだよ。」
「試す…?」
 喉がカラカラに渇いていて裏返った声で聞き返す。
「反応を…ね。メールや電話では想像はできても、実際には違うかもしれない。どこまで耐えられるのか?ちょっと試させてもらったよ。」
「ごう…か…く?」
「不合格も合格もないよ。こうしてゆうが逢いに来てくれて、腕の中にいる。俺はそれだけでも嬉しい。…ゆうは?」
 答える代わりに、ご主人様の背中に腕をまわし、ぎゅうっとしがみつく。
 あはは、と笑って、それまで頭をなでていた手を軽くポンポンとする。わかったよって受け取っていいのかな?
「少し休憩しようか?」
「でも…」
 しがみついた時にあたしの体に触れたご主人様のソコは、あたしを欲してる。あたしのあんな姿見て感じてくれていた。嬉しいような恥ずかしいような、複雑な気持ちで、言ったんだけど。
「ゆう。心配しなくても大丈夫。後でたっぷり…。」
 考えが伝わっていたことに嬉しくも感じ、恥ずかしくも感じ、視線をさ迷わせる。やらしい子って思われちゃったかな。
 顔が赤い。
 ご主人様は、立ち上がると冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきて、あたしに渡す。喉がカラカラだったんだ。よく、見ているんだな、あたしのこと。思い出したら、更に体が水分を求めて。蓋を開けようと触れたら
「貸してごらん。」
 ご主人様も?飲みたいのかな?ミネラルウォーターを手渡す。キュッと小気味いい音が鳴り、蓋が外され、ボトルが口元へと運ばれていく。喉仏が動いてる。ゴクンゴクンって聞こえてきそうなくらい。
「なに、見とれてるの?」
 少し照れた表情を向けられて。ご主人様も照れたりするんだ。可愛いなんて言ったら、怒られるかな?
「み…見とれてないです。」
 ウソ。見とれてた。顔が赤いから、バレバレ…かな?
 また一口ふくみ―――
 あたしに…。キスして口移しで。冷たい水がご主人様の口から送りこまれてくる。水の冷えとは反対にあたしの体はまた、熱くなる。



「そこに立ちなさい。」
 ご主人様は、先程と同じように椅子に座り、そう命令する。あたしも同じようにそこに立ち、先程と同じ体勢を取る。スカートの裾を持って。
「びしょびしょ…だね。」
 恥ずかしい言葉を投げ掛けられる。その言葉とこの状況にまた熱をおびていく。
「こんなことされて、濡らしているなんて…ゆうは変態だな。」
 感じて、濡らしてる。あたしは…変態。変態って言われて、嬉しい。
「服を脱ぎなさい。ゆっくり…よく見えるように…ね。」
 はい、とできる限り出した声はか細く、震えてる。興奮と期待で。
 ブラウスのボタンを上からひとつずつ、外していく。ゆっくりって命令されたけど、指が震えてうまく外せなくて、すごくゆっくりした動きだと思う。それがまた、恥ずかしい。ゆっくり、目で犯されているみたい。
 ボタンを外し終えてブラウスを椅子にかける。たたんだ方がいいのかな?って一瞬考えたけど、いいよね?何より恥ずかしい。
 ………次、どうしよう?ブラ?スカート?どっちも恥ずかしいよ。チラッとご主人様の顔色を窺う。何か言いそうな気配はない。何か言ってくれた方がまだ、恥ずかしさも減るのに…。


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