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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋か春か夏か冬〜17話『みんなで行こう温泉旅行・後編』〜-4

「……わかったよ。杏子が言うと冗談に聞こえないからな…」

「甥っ子だけあって、さすがによくわかってるじゃないか。ほれ、話すごほうびに酒を少しわけてやろう。今夜は無礼講じゃ!奏樹、おまえも特別に許可する♪」

「いいんですか?じゃぁ遠慮なく♪」

なんの苦労もなく恩恵を受ける奏樹。そして酒を飲みながら恭介が過去を話しはじめた。そして数十分後…

「ひく……うぅ…すいません恭介先輩…。興味本意で聞いたりしちゃって…」

「気にするなって。それより奏樹、おまえって泣き上戸なんだな…」

尋常じゃないほどの涙をボロボロと流す奏樹。

「うぅ……そんなの悲しすぎますよ……恭介先輩…カッコ良すぎます!」

「わかったから抱きつくな!あぁ、鼻水をつけるな!やれやれ、泣き上戸で酒も弱いのかよ…」

「あのときのお前は意外と男だったな……よし、キスしてやろう♪」

「お前も酔ってるんかい!まったく…弱いくせに酒が好きなんだから…」

酔いつぶれた2人を見ながらため息をつく恭介だった。


――2日目・夕方

恭介は酔っていた2人を寝かしつけた。

(やれやれ…さて、ゆっくり温泉でも入るか…)

そう思い恭介は温泉に入りに行った。

「はぁ〜、夕陽が綺麗だなぁ…」

思わず口に出してしまうほどの景色と温泉に、恭介は心身ともに癒されていた。岩場を背にして湯につかっている恭介は出入口から見えない。そう…だから旅館の従業員は気付かなかった。誰もいないと思い、従業員は男湯と女湯の暖簾を逆に変えてしまったのだ。

ここからが悲劇の始まりである。

場面は変わり…

「ただいまぁ…って奏樹と杏子先生は寝ちゃってる。あの痴漢は…トイレかな…?」

拓也と夏輝を残し、先に引き返してきた愁。ちなみに3人はあれから理緒たちと偶然会い、結局みんなで観光することになった。あまり観光に興味のない愁は早々に旅館にUターンしたのだった。

「まぁ良いや…そうだ!温泉に入ろーっと♪」

愁は浮かれながら温泉へむかう。そして脱衣場で服を脱ぎながらふと考える。

(そろそろ痴漢男とか呼ぶの悪いよなぁ…。それにあれは助けてもらったんだし……よし!次に会ったら謝ろう!)

そう決心し、露天風呂の扉を開けた。

「わぁ夕焼けがきれいだなぁ。それにこんなに広い露天風呂に俺だけってなんか気分が良いな♪」

2つある露天風呂のうち、乳白色の湯舟につかる。ちなみに効能は美白・美容効果。普段は男っぽい言葉遣いや行動の愁だが、こちらを無意識に選ぶあたり、やはり年頃の女の子なのである。


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