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fantasy ability
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reality ability‐第7話‐無意識の中の“真実”‥‥更なる“覚醒(チカラ)”‐-9

「‥‥君が‥‥皇希‥か?」

皇希の背後から男性の声がした。皇希にとっては懐かしい声だった。皇希は驚いたように振り返る。そこには二人の男女がいた。
正嗣と愛那だった。昔と変わらぬ姿で立っていた。少し白髪があるが黒髪の正嗣といつもと変わらない優しい笑みをしている愛那。
皇希は二人に近づく。今までにない表情で。目には涙が溜まっていた。

「義父さん、義母さん。会いたかった。俺は自分が怖いんだ。」

子供のように喋る皇希。不安や恐怖に包まれていたようだった。愛那が優しく抱くと皇希は落ち着く。正嗣が喋る。

「先ほど、未来の皇希と名乗る者が来たよ。彼は皇希がここに来ると言ったよ。嘘だと思っていたが、皇希がここに居る。彼は何者だね?」

正嗣が聞き尋ねてきた。愛那も聞きたいようだ。皇希は愛那から離れると喋る。

「間違いなく、未来の俺だよ。詳しく事は言えない。未来を知るという事はその未来が変わるかもしれないから。」

皇希は悲しい表情になる。皇希の表情がゴロゴロと変わる方が珍しい事だが、育ての親の前だ。感情を抑えられないのだろう。

「‥‥そうか。なら聞かないよ。皇希にまた会えた事に感謝しないといけないからね。」

正嗣と愛那は満面の笑みになる。皇希に会えた事を心から感謝しているんだろう。

「‥‥皇。私たちに会いに来たのは理由があるのでしょう?一体何の為に来たの?」

急に愛那が皇希に問い掛けた。不思議で仕方なかったのだろう。皇希は真剣になる。

「‥‥義父さん、義母さん。お願いがあります。聞いてくれますか?」

正嗣と愛那は頷く。その二人の表情からは凄いやる気に満ち溢れた意思を感じられた。

「ありがとう。‥もう聞いているかもしれないけど、俺は“神”と呼ばれる存在。それがその証拠。」

皇希は“覚醒”した。儀式後の姿になる。白色の髪に赤色の右目と青色の左目。そして、背中に天使のような翼を生(は)やした。
今度の天使のような翼は灰色だった。皇希の心境で翼の色は変わるようだ。二人が動揺しなかった所から聞いていたのだろう。

「‥‥“戦い”の事も聞いていますか?」

皇希は二人に聞くと二人とも頷く。未来の皇希からもう聞いているようだった。

「‥‥この“戦い”を終わらせた後、天界を改革させるように仕向ける。その時に天国(ここ)を良き場所にしたい。」

皇希は言った。天界を改革させるとは思いきった発言だった。しかし、皇希ならやり遂げてしまうだろう。そんなような気がする。


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