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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈風神篇〉中編-9

「貴方が何を言っているのか分からないけど…この国に危害を加えるのなら容赦はしないわ。」

リュナの右手に風が巻き起こった。彼女が生んだ風に長い髪がなびく。

それはレプリカの目を奪ってしまう程、彼女の力はこんなに強かったのかと何度も思ってしまった。

「目的は風神じゃないんだけど…仕方ないわね。」

そう呟くとライムは不適な笑みを浮かべ、指先で、まるで剣を試し振りするかのように目の前を斜めに切った。その軌跡に水滴が浮かぶ。

彼女は水を操る力を持っているようだ。

「どうぞ?」

ライムの声がかかると同時にリュナは社の名を叫び、たちまちそこは力と力のぶつかり合いにより爆発を生んだ。



ドォォオン!


強い風圧がレプリカを煽る、相変わらず止まらない出欠に貧血をおこし始めていた。気付いた時には二人の姿はなく、上の方で戦っている音が降ってきた。

「リュナ様。」

心配な声がレプリカからもれる。レプリカはおもむろに自分の衣服を裂き、傷口を止血し始めた。きつく縛る、ふらふらする体で立ち上がり深呼吸をした。

身動きがとりにくいセーラの扮装はやめ、自らの姿を現す。もう一度深呼吸をし、意を決してレプリカはリュナとライムのいる上へ向かった。





屋根に上がったリュナとライムは、激しい戦いを繰り広げていた。いくつも襲いくるかまいたちをかわし、ライムは剣を手に取りリュナへの距離を縮めていく。

あと少しで間合いに入ろう瞬間、下から風の刄がライムを襲った。それをかわし、後方に飛ぶ。

 二人にとって、一時の休戦が訪れた。

「驚いた。意外に戦い慣れてるのね。」

ライムの言葉にリュナは何も応えなかった。黙ったまま視線は常にライムを捕らえ放さない。

それは威圧に相当した。

 まっすぐに向けられた視線、それを見れば見る程ライムの中で固まっていく考えがある。次第に彼女から少しの笑みさえも消えた。

「やっぱり似てる。」

ライムの呟きは距離を保っているリュナにも届いた。ライムの視線が妙に刺さる。

「これも玲蘭華様の仕組んだ事なの?」

手にしていた剣を下げ、見せた表情は切ないものだった。思わずリュナも見とれてしまう。

戦場に似付かわしくない、やわらかな風が二人の間を通り過ぎた。

ライムは剣を背中にかけていた鞘に納め、再びリュナに視線を合わせる。


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