投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ヒトナツ
【コメディ 恋愛小説】

ヒトナツの最初へ ヒトナツ 36 ヒトナツ 38 ヒトナツの最後へ

ヒトナツF-1

残りの一週間、俺は渚をいろいろな場所に連れまわし、できるだけ二人の時間を作った。


二人の思い出を少しでも増やすため。

迷いを断ち切るため。




最終話

ヒトナツ



もちろん、まだ桜が好きなんじゃあない。

それは事実だ。

俺はヘタレだから。


ただ、桜が可哀想だと、そう思った。


可哀想なのは振られた俺だろう。
なんて思ったりするけど。

もう理由はわかっていた。
桜のやつ、初めてできた友達の渚に、俺を譲ったんだ。

桜は友達を大切にしたいから。

俺のことが好きだった渚に。
たった一人の友達に…俺を譲ったんだ…


でも、桜はまたひとりになってしまった。

桜は孤独だ。

それは、俺だけが知っている、桜の心の闇。

それを知って放っておけるか。

でも俺は、渚が帰った後、桜を支えてやるなんてできない。


結局、俺は何を望んでいる?

わからない。

結論なんて出ない。

目の前のことしか見れない。

ただ俺は明日、渚を空港で見送ることしかできない。

そんなちっぽけなヘタレだった。


ヒトナツの最初へ ヒトナツ 36 ヒトナツ 38 ヒトナツの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前