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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋と春か夏か冬〜16話『みんなでお泊まり温泉旅行・前編』〜-6

………あれ?言われてみればなんで俺はバスケやってたんだ?楽しいから?違う、確かにそれも理由の1つだろう…でも根本的な何かが抜けている…。俺が全国を目指してたのは和美先輩に誓ったから。だがそれ以前にも全国にいくことを目指していた。じゃぁそれは一体何のために?そうだ、あれは……あれは………あれは…………。


頭のなかでいくつもの言葉が木霊する。

「…介!恭介ってば!……きょうすけくん!」

「はっ!」

夏輝の声で俺は我に変える。

「きょうすけくん大丈夫?」

「あっ……あぁ。悪い、大丈夫だ。少しボーッとしちまった」

頭がガンガンして死ぬほど痛いが、心配そうに覗きこむ夏輝を前にしたら大丈夫じゃないとは言えなかった。

「本当に平気?ゴメンね、僕がきょうすけく……恭介に意地悪な質問しちゃったから…」

「意地悪な質問?」

俺は疑問に思う。

「あっ、えーっと…変な質問しちゃったからってこと!バスケやるのは好きだからに決まってるよね♪」

「あぁ…まぁ…そうだな…」

それだけじゃないことをさっきまで考えていたのに、とっさに嘘をついてしまう恭介。歯切れの悪い言葉が出てしまったせいで夏輝にもバレバレである。

………しばし沈黙。

その沈黙に耐えきれず恭介から話を振る。

「そ、そういえばさっき『きょうすけくん』とか言ってなかったか?いつもは呼び捨てなのにさ」

話題を変えてくれると思っていた夏輝は同じような話がまたきて、ギクッと肩をはねあげる。さらにその仕草にしまったと言う表情をしてから目を泳がせ…

「き、気のせいだと思うよ…」

とても演技派のアイドルとは思えない演技である。俺の知らない(もしくは、覚えていない)何かを隠しているということは明らかだった。

……………………。

お互いになんとなく気まずい沈黙がさらに続いてしまう結果に。しばらくして…

「…そ、そろそろ戻るか、暗くなってきたし」

「う、うん♪そうだね」

とりあえずこの2人にはめずらしい気まずい空気になったが、なんとか危険は回避されたようだ。

そして散歩の帰り道。時間がたち、もう普段通りになった夏輝と恭介。そしてに夏輝が聞いてくる。


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