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学園の社長〜社長の連盟騒動〜
【ミステリー その他小説】

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学園の社長〜社長の連盟騒動〜-4

「そうだった。君にこのことをまだ話してなかったな。話してもいいが、できるが内密に願えないだろうか。もちろん君を信頼しているつもりだが、それについて明らかになるとまずいことなんだ。君もその信用に答えてほしい」
えらく高慢な態度だと思ったが俺は「お、おう」と返事をした。そしてしばらく考え、錦田はなにかを企んでいるのだろう、と思った。おそらく奴は今の生徒会の人気に嫉妬しているのだ。生徒総会を休んだ理由もそうだろう。そして自分も目立ちたいのだろう。学園中に自分の名前をとどろかせるような大きなことをし てみたいのだろう。こういう一箇所に注目が集まるような状況下では必ずそんな男の一人や二人は出てくる。とくに普段おとなしい奴がこういうときに目立ちたがるときがあるのかもしれない。まあ結局何もできずにおわるというパターンに終わるだろうがな。とにかくここは奴に同調してやるべきだ。
「そうか。この学園で一つでかい花火をぶっ放そうってわけか。そりゃあ生徒会だけにのさばらせておくのは少し悔しいかもしれん。だがな、いいか? それをするんだったらもう少しここでの知名度を上げてからのほうがいいぜ。お前のような奴がいきなり目立つことをしても、サプライズ過ぎる。返ってお前のことを あまりしらない奴らがリアクションに困るだろうからな」
 俺ははっきりいってやった。実際に前の学校で、俺のクラスの目立たない奴が大きな事件を起こしたことがあるのだ。結果はというと、それ以来そいつはもてはやされるどころか、きまずい空気になって学校にすら居づらくなったという悲しい前例があるのだ。きっと目立ち方が悪かったのだろう。これは俺のそんな体 験に基づいた結論だ。
「いいか、事は慎重にな。よく結果を考えて行動するんだ」
 錦田は俺の反応に何も答えず、肩をすくめて、
「君はさっきから何を言っているのだ? 私は何も起こす気などないよ。むしろ何も起こって欲しくないのだ。だが、周囲の環境がそれを許さないらしい。また私の平和な生活が乱されそうなんだ」
 錦田は顔をしかめながら首を横にかすかに振った。大きめのマッシュルームカットがふわふわとゆれる。
「そうか。ではなにか悪いことでも起こったのか? 力になれるかどうかわからんが話してみろ」
 俺がそういうと錦田は周囲をちらりと目を向ける。周りは突っ伏して寝ている奴や、帰りの遊びの約束をしている奴もいる。友人の滝沢も廊下側の席で周りの奴とくっちゃべっている。いつもの朝の授業前の光景だった。
「まあここでいいだろう。君に話してやる」
 そういうと錦田は悠然とした態度で話し始めた。
「実は私に客が来そうなんだ。それも今後二十年は会うことがないだろうと思われた客だった。そしてその客は近いうちに私に会いにこの学園に来る」
 錦田はさらに続ける。
「そうなるとこちらとしては、非常にまずい事態になる。この学園では関係者以外は立ち入り禁止だし。あれは何をしでかすか分からん奴なのだ。まず怪しまれるのは目に見えている」
「あのさ。さっきからアレアレって一体誰のことをいってるんだ」
 錦田は眉をぴくりと動かした。
「今や世界規模となっている組合、潜水連盟の太平洋支部長を勤めている山崎船長だ」
「……」 
センスイ? シブ? なんのことやら。
「悪かった。潜水連盟について説明する。実に簡潔で名前のとおりなのだが、彼らは常に海の中を這って生活している。地上にはめったに姿を見せないためにその存在はあまり知られていない。その幹部を務めている山崎船長と私は知り合いでね、非常事態が起きたと急遽、地上に出てきて私に会いに行くというんだよ。 昨日メールが入ってきてわかったことだ」
 俺はしばらく物もいえなかった。錦田はずっとこちらの様子をうかがっている。なにやら重たい空気だ。俺は少しの間、頭の中の整理に努めた。が、その努力もむなしく
「ははは、どうやら信じられないようだね」
と錦田はいって再び前を向いて机の上に頭を伏せてしまった。


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