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闇の中
【犯罪 推理小説】

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闇の中-1

高野茂は下宿先でしばしば三村洋子に別れ話をもちかけていた。洋子はその度に泣いてすがってきた。茂はそんな洋子に苛立ちを覚え、いつしか殺意へと変わっていった。

そんな時に出会ったのが浅田登だった。登は地元でよく知られていた不良だった。茂はさっそく登に洋子の殺しをもちかけた。登は以外にも2万円ですんなり承諾した。茂はさっそく、洋子の写真をみせ家を教えた。

登は難なくその仕事をやってのけた。そして茂に連絡し金を今夜取りに行くと言った。

三村家では知子の帰りが遅いことを心配していた。知子は洋子の双子の妹だ。家族の心配が最高潮に達したころ電話がなった。電話には洋子がでた。声には聞き覚えがなかった。その声はこんな言葉を発した。
「今晩は三村さん。今日洋子さんを殺害しました。絶対に見つからない場所に隠しましたので警察に連絡しても無駄ですよ…」そういって電話はきれた。

洋子は訳がわからなかった。
(自分は今生きている。それなのに私は殺された。どういうこと…?どうせただのイタズラだろう。)

その時洋子は背筋がゾクっとした。声は違うものの、電話をかけてきたのは茂で知子を殺害したのも茂だと確信した。自分と間違って、知子をころしてしまったのだと。

洋子は心配している母に
「知子の居場所が分かったから迎えにいってくる。だから警察には言わないで」といって家を飛び出し、下宿先へとむかった。

家のチャイムを鳴らすと、茂は玄関のドアを開けて出てきた。

「どちらさ…」
そこで言葉は終わり顔が蒼白になった。
洋子は無理に部屋へあがりこんだ。そして慌ててついてきた茂を何も言わずに、持ってきた包丁でさした。

それからしばらく洋子は動けずにいた。そしてようやく落ち着きを取り戻し、部屋から出ようとした時、玄関のチャイムが鳴った。

仕方なくドアを開けると1人の男が立っていた。男は洋子をみたとたん、落ち着きをうしなった。そして「どうして、どうして」と繰り返した。

そして洋子はこの男からすべてを聞いた。
電話をしてきたのはこの登という男であったこと。
茂に頼まれて洋子殺害を計画したこと。

しかし登は茂から洋子に双子の妹がいることを知らされていなかったらしい。だから登は誤って知子を殺してしまったのだ。


しばらくしてようやく登はこの部屋にきた意味を思い出し茂を探そうとした時、登はこの部屋で何が起ったかを悟った。

そこで登は思いがけないことを言った。
「俺はお前の妹を殺した。あなたは自分の恋人を殺した。だから2人でこの事件を隠そう。そしてなかったことにしよう。」と。

洋子は驚いたが登の顔をみつめた。そしてこう言った。
「私は確かにこの事件を隠して生きて行ったほうがいいかもしれない。でも私は妹や茂がいない人生は考えられないの。だからここで罪を償います。あなたと一緒に…」


そう言って先ほどの包丁を再び取り出し、ごめんなさいと言って登の身体をさした。

その数秒後、洋子の目の前も真っ暗になった……


この事件の真相は闇へと消えた……


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