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『傾城のごとく』
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『傾城のごとくU』前編-9

「…ヨシッ!チコちゃん。いいコねぇ〜」

早朝。チコのミルクと排泄を終えた私は、チコを寝所に入れた。
チコは眠くないのかウロウロしてる。私がその姿を見つめていると母が、

「千秋。早く支度しなさい。7時過ぎたわよ」

「アッ、いっけない!」

私は慌てて台所に戻った。トーストにジャムを塗って食べ、牛乳を飲んでいると父が現れた。

「あれ?母さんは」

「あ、お父さん、おはよう。さっきまで、ここにいたけど」

父は小さく〈そうか〉と言うと、玄関に向かいながら〈行ってくるぞ〉と声を挙げた。
すると、〈ごめんなさい〉と言って居間から母が現れ、〈行ってらっしゃい〉と父を見送っている。

すると母は、居間でずっとチコを見てたのか。

トーストを食べ終り、牛乳を飲んで慌てて歯磨きと洗面を終わらせる。
ちょうど入れ違うように、姉が入って来た。彼女は、自宅から歩いて10分位の場所にある高校に通っているので、家族で1番遅く起きる。

「おはよう、お姉ちゃん」

「おはよう。朝はあげたの?」

「うん!夜はお姉ちゃん、お願いね」

「…う、うん…」

昨日の夜中。チコの世話をしている私を姉は1番熱心に見ていた。

私は洗面所から自室に上がり、着替えと髪の毛を整え時計を見る。

「7時40分…いつもより少し早いか」

ゆっくりと階段を降り玄関口で靴を履く。今日は余裕だ。

「お母さん!行って来るから。昼間、お願いしま〜す!」

私の声に、母はパタパタとスリッパを鳴らして玄関口に現れた。
手にはチコを抱いている。
チコは寒いのか、怖いのか、小刻みに震えてた。

私はチコの頭をチョンと触って、

「チコ!行ってくるからね」

「行ってらっしゃい。9時半と1時頃で良いのね」

「うん!お願いします」

私は玄関を開けて学校に向かった。


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