投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

光の風の最初へ 光の風 190 光の風 192 光の風の最後へ

光の風 〈風神篇〉前編-5

「魔物の群れがシードゥルサに現れ広がっていると。」

「魔物が?カルサ!」

貴未はカルサに言葉を求めた。千羅の言葉に対し、少し考えた後に表情を変えた。強い眼差し、戦士の顔つきになったカルサは短く告げた。

「戻るぞ!」

全員が返事をする。そして貴未の腕を掴み、一斉にその場から姿を消した。





国は混乱していた。




城に戻りその様子は一目で分かった。すでに魔物の姿をとらえ、サルスの指揮の下に人は動いている。

廊下を走る女官や、バタバタしている軍人、広間では騒ぎになりつつあった。

「サルス!!」

奥まった場所で数人の大臣と軍人と話をしている場所にカルサは現れた。しかしサルスもまたカルサに扮している。

二人のカルサを目の前に、その場に居た者は動揺を隠せなかった。

「へ、陛下が二人!?」

カルサとサルスはお構いなしに互いに近づく。

「カルサ。」

「交替だサルス。元の姿に戻り引き続き手伝ってくれ。」

サルスは頷くと同時に、自らを煙り纏い本来の姿を取り戻した。それは死んだはずの人物、その場に居た者はただ状況が理解できずにいた。

「サルス様…?まさかそんな!」

カルサはすぐに事情を知らない者の前に立ち、視線を自分の元へ集めた。

「この事は他言無用だ。いいな。」

あまりの事に動揺をし、すぐには答えられない。カルサはそれに圧力を掛けることで解決を試みた。

「いいな!」

国王の言葉に全員が勢い良く肯定の返事を叫んだ。それを確認するとサルスと二人で状況を確認し対策を考え始める。

結果、一つの答えが出た。

「奴らの狙いは城だ。」

魔物の出没場所は徐々に城へと近づいている。

空は明るさを失い薄暗くシードゥルサを包み込んでいく。これも魔物の出没が影響なのだろうか。

「サルス、ナルはどうした?」

「分からない。紅奈と共に行方不明だ。」

サルスの言葉にカルサは考え込んだ。この非常事態をナルが見逃す訳がない。きっと何か訳があって、どこかに身を潜めているか何か対策を打っているに違いないだろう。


光の風の最初へ 光の風 190 光の風 192 光の風の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前