投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

気になる存在
【ボーイズ 恋愛小説】

気になる存在の最初へ 気になる存在 0 気になる存在 2 気になる存在の最後へ

気になる存在@ はじめてのキス-1

はじめてのキス



好きで好きでやっと両想いになった人。

同性だからとあきらめていたこと。

どうしてコイツを好きになったのか悩んだこと。

そんなことが今でもフラッシュバックする。

そして、あの日へ…。



あの日は確か、仕事の帰りにアイツの部屋に行くことになったんだった。

部屋に行くのは慣れっこで。

2年前に一人暮らしをはじめたころからアイツは何度か俺を誘った。

もちろん、宅飲みに。

適当に飲んで、他愛もない話をした。

俺が特定の彼女を持たない話になって、ちょっとはぐらかしたりして。

好きなのはお前って心の中で告白しながらね。

後は仕事の話。



その内に、うとうとしていたらしく、気がついたらキスされていた。

頬にだったけど。

びっくりした。

今以上の関係になれないなら、こういうのは要らないと思っていた。

気持ちに封印して気がつかないようにしていたのに。



その後、目が合って、ゆっくりと自然に唇に触れてきた。

一瞬、怖くなって抵抗した。

逃げ出したい衝動に駆られる。

これは夢?



好きだよと言い訳のように囁かれ、抱きしめられる。

オレのこと好きでしょ?好きになってよ…。

魔法の言葉に翻弄されて、抵抗するのをやめてしまった。

ずっと好きだったと聞こえたのは自分の願望?



お前が俺のこと好き?

いつから好きだって?

だって、お前 彼女いたじゃん。

前に来たとき、彼女の服とか化粧品とかあったし。

今回は続くかもね、なんて言ってたじゃん。



なし崩しに始まるのかと思ったら、それ以上はしなかった。

それ以上はしなかったけど、キスは繰り返し続けた。

頬や髪、耳、手、瞼…優しいキスにすごく安心した。

キスってするもんだと思ってた。

されることもあるんだね。

もう、どうでもいいや。

夢でも現実でも。


気になる存在の最初へ 気になる存在 0 気になる存在 2 気になる存在の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前