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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋と春か夏か冬 13話〜『痴漢男』〜-6

「痴漢が弱ったぞ。みんなで抑えろ!」

「よし…この野郎!カッコ良いくせに、こんな可愛い子に淫らな行為をしやがって」

「そうだ!カッコ良いくせに…オッサン達はなぁ〜醜くても頑張ってんだ…」

「そうだそうだカッコイイくせに!痴漢なんかしたら家族が路頭に迷う……だからこの時間帯の天使たちを見ることで…俺たちは癒されてきたんだぁー!」

泣きながら(無実の)俺を捕まえ、確保するオッサン'S…。

泣きたいのは俺の方だ!てかなんて言った?シュウ…………天使…たち?

疑問に思う恭介だが、次の駅で降ろされ警察に連行された…。


そして……

「そろそろ認めたらどうだ?可愛い女の子の体を撫で回したんだろ?」

「だーかーらー!誤解だって言ってんだよ!知り合いの子だから声をかけたの!電車が揺れたから助けただけ!」

「痴漢するやつはみんな同じこと言う…素直に認めた方が良いぞ。親御さんが泣いてるぞ?ほら、カツ丼頼んでやっから」

「いらん!」

かれこれ30分以上これの繰り返しだ。

コンコン

「警部!他の乗客員の女性から証言がでました。『ずっと見てたけど、何もしてないわよ。痴漢って言っても女の子が転ぶのを助けたみたいし』…だそうです」

「なにー?本当か?」

取り調べしてたオッサンが聞いてくる。

「……だから何度も言っただろーが…」

その後…無事に釈放された俺を、杏子が迎えに来ていた。

「おまえ…我が甥っ子のくせに……痴漢とは…情けなさ過ぎる………」

煙草をくわえながら、軽蔑と白い目で見られる俺……。

「だから誤解だっつーの!本当なら今、出てきてねーーよ!」

「冗談だ…学校に行くぞ痴漢男」

「………」

「冗談だ……本気で怒るんじゃない。」

こうして容疑者・秋津 恭介はいつもより4時間遅れて学校に着いた。


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