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「真っ直ぐ……」
【ホラー その他小説】

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「真っ直ぐ……」-3

「……はぁぁぁぁ」
深い溜め息を吐く。
俺は、今日散々乗り回して少なくなったガソリンのおかげ……ひいては俺自身のおかげで助かったのだ。
これで帰れる。良かった……。
プルルルル!
「うわっ!」
あまりに突然だったので、心臓が跳びはねた。……どうやら、ポケットに入れておいた携帯が、着信音を鳴らしているらしい。
「……はぁぁぁぁ」
また深い溜め息を吐く。これは安堵の溜め息。
とりあえず出よう。帰りの遅い俺を心配した母さんが、電話をかけてくれているのかも知れない。
が、画面に表示されている文字は、「非通知」を示している。
誰だ?
とりあえず出てみる。
「……もしもし」

『死ねばよかったのに』

あの、くぐもった声が聞こえた。
『死ねばよかったのに……真っ直ぐ行けば死ねたのに……死ねばよかったのに……真っ直ぐ行けば……』
ずっとそのフレーズを繰り返していた。
俺はなにも言わず、即座に電源ボタンを押した。
最後に、あの言葉を聞いた。
『真っ直ぐ……』





こうして、先輩の友達の兄貴は、無事に帰ることが出来ました。その後知った話らしいのですが、そこはよく交通事故が起こる場所だったそうです。そうとは知らなかった先輩の友達の兄貴は、引き込まれてしまったのでしょう。
貴方も、車で、しかも夜間はお気をつけくださいね……。
真っ直ぐなんて、聞かないように……。


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