投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

秋と春か夏か冬の最初へ 秋と春か夏か冬 89 秋と春か夏か冬 91 秋と春か夏か冬の最後へ

秋と春か夏か冬 番外編12、5話〜『2つの借り』〜-5

10分後〜…。


「……あ〜もう、うるさい!わかったわよ!」

何回も呼ばないと言ったけど、秋津 恭介も全く譲らない。だから私が先に根負けした。

「頑固なヤツだな」

「…あんたもね」

そう言って笑う秋…恭介。それに釣られてか……私も笑ってしまった。

他人と話して楽しいと感じるのは初めてだった。



そして体育祭の当日。


私はなぜか恭介の家に迎えに来ていた。

『当日まで遅れたら洒落にならない』と先生に頼まれたからである。

私が玄関の呼び鈴を鳴らすと父親らしき人が出た。

気さくな人で、早朝にもかかわらず私を家に上げ、恭介の部屋を教えてくれた。

…どうやらまだ寝てるらしい。

コンコン。

私は一応ノックしてから部屋に入る。

「くぅ〜……むにゃ…」

やはり寝ている。

「ほら。起きなさいよ」

「ん〜…鈴が……どうして?…あぁ、夢か…」

また眠りについた。


私が早起きして迎えに来てるのに…。
……だんだん殺意が芽生えてきたわ…。


辺りを見回すとちょうど木刀があった。(私は剣道有段者)

私は恭介の腹めがけて一撃を振りおろす!!!

「ごはっ!!!ケホッ、ケホッ……え?え?なんだ?」

「さっさと起きなさい!」

さらに恭介の頭めがけて、渾身の一撃!

スパァァン。

間一髪で恭介は避けた。ちっ…素早いヤツ。


秋と春か夏か冬の最初へ 秋と春か夏か冬 89 秋と春か夏か冬 91 秋と春か夏か冬の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前