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冷たい情愛
【女性向け 官能小説】

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冷たい情愛10-10

『でさ、UFOキャッチャーでいきなりぬいぐるみ取れてさ』
『初めてで取れるなんて凄いってみんなで褒めてるのに相変わらず機嫌悪くてさ』
『うちの後輩に、そのぬいぐるみ押し付けちゃってさ〜』
『なのに後輩、嬉しそうに「ありがとうございます」なんて何度も頭下げちゃって』

たいした過去の出来事ではない…はずだ。
高校生がゲーセンに行くなど、よくある話だ。

けれども…


たいした過去…ではない…の?
おかしい…胸が騒ぐ…なんだろう…なんでだろう…


『紘ちゃんが帰った後だったかな…顔真っ赤にして紘ちゃんをずっと見てた後輩をみんなでからかったんだよね』

「ねえ…私、そんなにUFOキャッチャー上手だった?」

『うん、初めてで取れるって凄いんじゃない?』
「そう…私、そんなにそれが欲しかったのかな…」
『違うんじゃない?だって取れても全然喜んで無かったもん』

1秒位の間が空いた後、彼女は言った。

『あれだけペンギン好きだったのに、ペンギンのぬいぐるみが取れても機嫌悪かったんだから、
相当嫌な事があったんじゃないの?』

「ペンギンのぬいぐるみ…?」

視線を感じた。

遠藤さんが私を見ている。
まっすぐ強い視線…乱れの無い、何かを含んだ一重の綺麗な目。

『遠藤くん、紘ちゃんの事好きだったのもね〜…なんて』

遠藤…くん…?


同じ名前の…目の前の彼を見た。

「ねえ…その…名前、教えてくれない…かな…」

その後輩のフルネームを、ダイレクトに尋ねたかったが
それをはっきり口にすれば、目の前の彼に聞こえてしまう…

なぜか私は、瞬時にそれを避けた。

『ああ、確かねえ…そうそう、芳くん!女みたいな名前だって散々からかった覚えがあるもん』

私は何も言葉が出ない。

同姓同名…
年齢も同じ…

私は先生と過ごした幸せなあの過去の時間の中で…



目の前の彼と、すれ違っていた……???

目の前の彼は…
私の表情を、怖いくらいまっすぐな視線で見つめていた。


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