投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

年上の事情。
【その他 恋愛小説】

年上の事情。の最初へ 年上の事情。 34 年上の事情。 36 年上の事情。の最後へ

年上の事情。‐9-2

「亜季姉っ亜季姉〜」


ドタバタという足音で、現実に引き戻される。


もうっなんなの!


「あっいたいた!
亜季姉ひさしぶりです!出張どうでした?」


あたしに抱きついてきそうな勢いで、祝さやかは近づいてきた。


「うん、まぁ‥」


「あっ、そんなことよりも!」


あたしが言い終わらないうちにまた彼女は話しだした。

そんなことって!
アンタが聞いてきたんでしょ!



「何かおかしいんです。2人、立花くんと鳴海くん」


あー‥
きた。



考えないようにしていたのに、やっぱりそういうワケにはいかないらしい。


「ケンカしたのかな、あの2人。何か空気がおかしいんです」



広告部に戻る途中、出勤してきた香ちゃんに会った。

「おはよう」

「おはようございます」

香ちゃんはあたしの表情から何かを感じ取ったのか、それ以上は何も言わなかった。

いってくるよ。



部屋のなかは祝さんの言ったとおりに嫌な雰囲気が漂っていた。
一部分だけ空気が張り詰めていた。



『それ以上の感情はない』


ふいに昨日の鳴海くんの言葉を思い出した。


彼はこっちを見る事無く作業していた。


立花くんを見ると、目が合った。すでに、こっちを見ていたようだ。


年上の事情。の最初へ 年上の事情。 34 年上の事情。 36 年上の事情。の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前