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Blackmail
【その他 官能小説】

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Blackmail-10

「良い出来よ。これだけのモノならクライアントも満足するでしょう」

そう言って手にした書類を渡す恭香。

「ありがとうございます」

琢磨は一礼すると、書類を受け取る。その仕草は堂々としたものだった。

恭香は口元を緩めると、琢磨に訊いた。

「最近、調子良いわね。どうしたの?」

琢磨は、恭香の問いに自信に溢れた笑顔を向けると、

「最近、プライベートで大変良い事があったので……」

そう言って白い歯を見せる。


「そう。良かったわね」

琢磨は再び一礼すると、踵を返して自分のデスクへと戻って行った。





ー翌日深夜ー

プログレス・コンサルティング社の玄関前に、タクシーが停まった。
そこから降り立ったのは恭香だ。彼女は、守衛に書類作成し忘れたと言うと、エレベーターで営業部のオフィスへと向かった。

非常用照明だけが灯る薄暗い室内に入ると、奥の席。すなわち恭香のデスク上だけが、ピンスポットのように明かりに照らされ、周りから浮かび上がっていた。

おそるおそる奥へと進む恭香。目を凝らすと、席に誰かが背を向けて座っている。

「誰?そこに居るのは」

恭香は、引き返したい衝動を抑えて言葉を投げ掛ける。
対して相手は〈クックッ〉と嘲笑を上げると、

「やっと来たか……」

その声に聞き覚えのある恭香。相手はクルリとイスを回し、正面を向いた。

そこに居たのは、朝霧琢磨だった。

「…朝霧君…あなた……」

琢磨の姿に愕然とする恭香。明かりで白く浮かび上がる彼の顔は、嘲るように笑っている。

「だから言っただろう。プライベートで良い事があったと……」

そう言って席を立ち上がると、恭香に近づいた。

「さて、じゃあ下着姿にでもなってもらおうか」

琢磨は、恭香の乳房を服の上から鷲掴みにする。

「何をするの!!」

恭香は声を荒げて手を払い退ける。琢磨はニヤリと笑うと、

「イヤなら帰ればいい。別にオレは構わないぜ」

琢磨は再びイスに座り、背もたれに身体を預けて恭香を見つめる。


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