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campus life
【青春 恋愛小説】

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campus life-1

寒かった季節が終わりを告げ、暖かな空気が街を包みはじめた春。

年度の変わり目でもあるこの季節とともに新たな生活が始まる人達がいる。

そんな4月のある晴れた日。


俺は大学の入学式に参列していた。


『…というわけで、晴れて我が大学に入学するみなさんにはぜひとも……』


学校生活を送る上では誰しもが直面するであろう校長や学長の長ったらしいスピーチ…かれこれ10分以上話し続けている。

大半の学生はすでに聞く気力を失いしゃべったり携帯をいじったりしている。


「ったく…毎度毎度長いんだよ…」

俺の右隣に座っている秋元瞬也(あきもとしゅんや)が愚痴をもらす。

「まぁこれも一種の学生の試練だからしょうがないでしょ。」

俺の左隣に座っている宮野龍之介(みやのりゅうのすけ)がなだめる。

「そうだけど龍……あのハゲさっきからおなじこと三回くらい言ってるぞ?」

……確かに。今話してる内容は数分前にも聞いた気がする…。

「学長なんてもう御隠居なんだから仕方ないでしょ……。あ。これ終わったらどうする?入学祝いに飯でも行かない?」

「おっ!いいねぇ〜俺は行くぜ!零はどうするよ?」

『……あぁ。用事ないし……行くよ。』

そして二人にはさまれて座ってる俺が琉鷺零(りゅうさぎれい)だ。

両隣の瞬也と龍之介とは中学の時に同じクラスになった事で知り合い、成り行きで同じ高校に進学、気がつけば同じ大学ゆうここまでくれば腐れ縁としか言えない関係。

「……以上を持ちまして第54回風林大学入学式を閉式いたします!」

「おっ?やっとおわったか」

「ふぅ…じゃあいきますか」

『…だな。』

ぞろぞろと新入生とその保護者や関係者が会場を後にしていく。

ここ風林大学は国内有数の総合大学であり、文系と理系はもちろんのこと芸術系の学部まであるため学生は多種多様で数も他の大学に比べるとかなり多い。さらに全ての学部が一つの場所に集結しているので、キャンパスが海外の大学のように広くてでかい。

ちなみに俺達三人はそれぞれ学部と専攻はちがっていて、瞬也は文系の法学部、龍之介は理系の医学部、そして俺は芸術系の音楽学部に通うことになっている。



会場から出るとこの季節に相応しく沢山の桜の花が眩しいくらいに咲き乱れていた。


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