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朝食にオムレツを
【二次創作 その他小説】

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朝食にオムレツを-1

目覚まし時計が鳴るのよりも早く、自然と目が覚めた。天井を見て、就活のため帰省していることを思い出す。
私は寝覚めは良い方だ。ベットから降り、カーテンを一気に開ける。

強い光が、私の視力を一瞬奪う。目を見開くと綺麗な空が私を迎えた。見事な五月晴れ。
「うっわ〜。雲一つ無い!」
すぅ、と息を大きく吸い込む。快晴なだけで今日は良い一日になりそうな気がしてくる。なんとも爽やかな朝だ。

鼻歌なんか歌ったりして、一階に降り朝食の準備を始めた。両親は温泉旅行に出かけている。
食パン・牛乳・ドレッシング・マグカップをテーブルに並べた。
私は朝はパン派だ。トーストとサラダ、あと卵料理。こんなにきちんと朝食を食べる学生は、ザラにいない。
『朝ご飯は元気の元なんだから、絶対取りなさい!』これも、母親の教育の賜物。
目玉焼きか、スクランブルエッグか…
ざっと冷蔵庫の中身を確認し、気分も良いし一手間かけてオムレツにしようと決めた。

卵を4つ割り入れ軽く混ぜ、ピーマン・トマト・マッシュルーム・チーズを小さく切って入れる。
朝から豪勢。食材の豊富さは実家ならではの特権だ。
塩胡椒で味を整える。熱したフライパンにバターを溶かす。バターの香ばしい匂いに鼻がヒクヒクし、お腹がグゥと答える。
中火で卵に空気を入れながらかき混ぜ、半熟のところをひっくり返す。
大成功!なんとも美味しそうなオムレツ。

でもその時、気付いてしまった。


どう見ても、二人分はあるその大きさ。




私が最後にオムレツを作ったのは、まだあの人と付き合っていた頃だ。
半同棲状態で、一緒に朝食を取るのは珍しく無かった。
中皿から飛び出した大きなのオムレツを真ん中に、二人で
「「いただきます。」」
と言った。
幸せな黄色い記憶。

地元で就職する私と、院に進む彼。
二人とも一人っ子で親思い。
二人はよく考え、よく話し合った。
そして、二人で出した結論。
今でも、正しかったと信じてる。

でも……‥、



一人で食べなくてはならないそれから目を逸らし、窓の外を見た。
あまりにも晴れ渡った空。
その青さにどこか寂しさが滲んでいる気がした。


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