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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩み4 〜夏一夜〜-10

「あ、いや……何でもないよ」
 言葉を濁し、龍之介は美弥を抱き締めた。
 自分からは一度たりとも『舐めて』とか『飲んで』とか要求を出した事がないのにこんな事をしてくれるのだから、もしかすると自分はかなりな果報者かも知れないと思ったとは、何となく言えない。
「それじゃ、いっぱい気持ち良くして貰ったし……今度は美弥が、気持ち良くなって」
 言って龍之介は抱いた美弥をベッドに寝かせ、秘裂に指を這わせる。
 そこは、しっとりと濡れていた。
「ぅん……」
 ぽってりと充血した秘唇を優しく嬲られ、美弥は艶めいた声を出す。

 にゅぷっ

 龍之介は蜜壺の中へ再び指を埋め込むと、ゆっくり解きほぐし始めた。
 口の方は乳房へ吸い付き、愛撫を始める。
「ん、あん……!はん、あっ、あっ、あっ……!」
 秘裂の内部を撹拌されるいやらしい音が耳に届くと、美弥はふるふると体をよじった。
 龍之介は乳房の愛撫を中断し、美弥へ深く口付ける。
「んぅ、ん、ん……!」
 唇や舌を愛撫されると、美弥はなまめかしい声を出して応えた。
「りゅう……」
 存分にキスを貪った龍之介が唇を離すと、美弥がもどかしそうに囁く。
 自分の事を欲しがる美弥の声に、龍之介は頷いた。
 小物入れから、いそいそと必要な物を取り出す。
 準備が完了すると、龍之介は美弥の足の間に腰を割り込ませた。
 不規則な収縮をしている秘裂に硬直しきったモノをあてがい、ゆっくりと沈めて行く。
「はぅんっ……!」
 ついついお腹に力を入れて肉棒を締め上げたくなるのを堪え、美弥は龍之介を受け入れた。
「あ、ふぁ、あん……!あぁん……!」
 美弥の限界まで入り込むと、龍之介は快感のあまりため息をつく。
「ん、あぁっ……りゅうっ……!」
 切なそうな顔をする美弥へ、龍之介は軽いキスをした。
「んっ、ふ……!」
 キスを頬や顎へ落としながら、龍之介はゆっくりと腰を使い始める。
「んあんっ、あっ、ふあ……はあんっ!」
 龍之介が出入りする度に、美弥の唇からは艶めかしい声が漏れた。
 深くきつくゆっくりと美弥を刺し貫きながら、龍之介は美弥を抱き締める。
「……っか……の……」
 速い呼吸をしながら、美弥が呟いた。
「わかっ……れる、のが……こわ、いのは……おんな、じ……だか、ら……」
 龍之介は驚いて、目を見開く。
「す、捨て、られたらっ……!ど、どうし、ようって、い、つも……はあうっ……か、かん、が、えてるっ……」
 美弥は龍之介の腰に足を絡ませ、より深い結合を求めた。
「もっ……しも、そ……うなっ……たらど……しよって……ふ、あん……!」
 それに応えて深く美弥を突いてやりながら、龍之介は眉を歪める。
「……僕も」
 龍之介は、抽送に合わせてぷるぷる揺れている乳房を掌で包んだ。
「んっ……」
 ふるっと、美弥が体を揺らす。
「僕もだよ、美弥。僕も美弥を捨てたりしない。望む限り、傍にいるから」
 荒い息をつきながら、美弥は微笑んだ。
「ん……」
 快楽と切なさと安堵がないまぜになった顔をする美弥へ、龍之介は口付ける。
「んぅ、ふ……」
 幾度も唇を重ねた後、龍之介は美弥の様子を窺った。
 美弥は荒い息をつきながら、すっかり蕩けてしまった顔で次なる愛撫を待ち望んでいる。
 龍之介はしこり立った乳首をくにくにと刺激しつつ、首筋へキスを落とした。
「ふっ、ん、あう、うぅ……!」
 美弥の爪が、龍之介の肌に食い込む。
「りゅうっ、ねっ……!」
 何事かを訴える美弥の言葉に、龍之介は苦笑した。
 口でははっきりと伝えられないものの、秘裂の方が『一緒にイきたい』と悩ましく収縮している。
「はいはい。それじゃ、イきましょうか」

 ずちゅっ!ずんっ!ぐぷ、ごぷっ!!

「んっあ……あぁん!あ、はあぁっ……!!」
 自分をイかせるための優しくも激しい前後運動が始まると、美弥はきゅうっと龍之介を締め上げた。
「っふ……!」
 龍之介は思わず息を吐き、眉を歪ませる。
 ――心も体も、ひどく興奮していた。
 その理由はむろん、美弥のせいである。
 自分が心細い時、余計な事は何も言わずに優しく包み込んでくれる美弥。
 度々頼りにして来たそのぬくもりはいつも与えられるばかりでついぞ与えたためしがなかったため、龍之介は今まで引け目を感じざるを得なかった。
 身も心もこんなに欲しているのは、もしかして自分だけではないのかと。
 だが今日、愛しい少女は心の一番深い所を曝してくれたのである。
 そこにある気持ちは、全く同じ。
 互いに捨てられるのが恐くて、不安で……。


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