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「美女と野獣・・・」
【レイプ 官能小説】

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「美女と野獣・・・」-65

その20


封筒にはただ『Sくんへ』とだけ書かれていた。

千切ってでも破ってでもすぐさま開けて中身を読みたかったが、

大事に保管する事になるかもしれないという躊躇が一瞬の内に脳裏を過ぎり、

普段はほとんど使う事の無いハサミを朝から慌ただしく探し回り、

やっとの事で見つけ、口を開いた。





Sくんへ
 

Sくん、本当にごめんね・・・。

ごめんなさい・・・。

怒ってるよね?いきなり消えたんだもんね。当たり前だよね・・・。

先生から聞いたと思うけど、私、学校を辞めました。

消し去りたいけど消せない過去の記憶・・・

でも自分で何とか立ち直ろうと思って学校へ通い続けた。

友達も出来ない。人と話せない。結局自分で地味を演じた結果なのかもしれない。

自業自得だよね。

それでもSくんだけが近寄って来てくれた。

Sくんだけが信用出来た。

Sくんだけには笑って接せられた。

次第に心に変化が表れてね、Sくんの事が好きなのかなぁって思うようになった。

でもそれさえも信じられなかった。

人を信じられないし、自分の気持ちも信じられないなんてバカだよね・・・。

Sくんが私に良くしてくれてても、それも実は偽りなんじゃないかって。

でも違った。Sくんが真剣なのをわかったし、私の気持ちも確かだ!って確信したの。

だから付き合った。

でも、付き合うからにはあの話をしておかないと・・・悪いと思ってね。

それでフラレちゃったらしょうがない。

でも言わないで心に留めておくのは私が耐えられない。

幸いにもSくんは、気にしねーよ!って言ってくれたじゃん?

すっごい嬉しかった。

ビクビクしてたんだよね。何て言われるか。

初めて人を心から信用出来た。

信頼の重みを感じた。


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